2020.03.09 ■日本少額短期保険協会 おもしろミニ保険大賞が決定、産後うつ補償する「産後ママ保険」に[2020年3月2日]

 日本少額短期保険協会は3月2日、 「第6回おもしろミニ保険大賞コンテスト」の優秀アイデアと「第6回少額短期保険大賞」を発表した。おもしろミニ保険大賞の最優秀賞には千葉県「きぽママ」氏の「産後ママ保険」、少額短期保険大賞には、justInCaseの 「わりかん保険」が決定した。

 おもしろミニ保険大賞コンテストは「こんな保険あったらいいな」と思うアイデアを募集し、そのアイデアの中から、優秀なアイデアを決めるコンテスト。これまで5回開催し、痴漢冤罪保険、愛犬と一緒保険、LGBT保険など実際に少額短期保険で商品化されたアイデアもある。
 優秀作品選定にあたっては、▽保険商品としての実現可能性▽ユニークさ▽時代性とニーズ▽保険の役割や機能としての価値▽社会問題の解決― の観点から総合的に評価して選定している。今年から選定委員として、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏、竹下さくら氏を招請し、選定委員会を2月20日に開催した。
 第6回目となる今回は2027通の応募があり、応募件数は2018年、19年、20年と2000通前後で推移している。今年のカテゴリ別応募数のトップ5は、①「出産・育児」243、②「結婚・離婚」201、③「教育・学問」149、④「禁煙・薄毛・メタボ」97、⑤「健康・美容」89―だった。
 その中で最優秀賞(JCBギフトカード5万円分)となったのは、千葉県「きぽママ」氏の「産後ママ保険 」。「産後うつと診断された場合にベビーシッターや家事代行などの費用を保険がカバー。産後からこまめな育児相談サービスダイヤル(電話)があったり、ベビーシッターや家事代行を特別割引価格で受けられるサービス付き。産後うつにならなかった場合でも出産1年後にママ1年祝いでベビーシッター、家事代行などの中から一つサービスを受けられ、保険期間が終了」というもの。
 「共働き家庭が増えているとはいえ、まだまだワンオペ育児をしている家庭が少なくない現実もある。加入したら育児相談ダイヤルに相談できるという点もユニークであり実用的だと感じた。産後うつにならなくても、1年後には家事代行サービスやベビーシッターサービスを受けられる特典も『現物給付』としての支払いであれば、商品化に十分検討に値する内容(畠中氏)」「とても丁寧にアイデアが練られており、保険のアイデアが少額短期保険向きだと思った。育児ママにとって切実な問題であり、このような保険があれば心強いだろう。このアイデアが少額短期保険から『業界初』の保険として誕生することも想像・期待できる内容(竹下氏)」との選評があった。
 また、優秀賞(テーマパークペアチケット)には、茨城県「リオ」氏の「ロック解除保険」(この保険の加入者が死亡したとき、20万円以上かかるといわれるスマートフォンやPCのロックを解除する費用を一部、もしくは全額免除する保険)と東京都「Dolce」氏の「シングルマザーのためP2P保険」(シングルマザーは、男性に比べて低所得な場合が多く、子どもを養うために寝る間も惜しんで仕事をしている人も多い。自分が倒れたら大変と思いながらも、家計に余裕がなく、高い保険料は払えない。そんな人たちのために、病気やけがによる入院、就業不能時の収入補てんを対象に、シングルマザーのためのわりかん保険を考えていただきたい)が選ばれた。
 佳作(カタログギフト)には、スポーツクラブなどで全国大会に出場することになった場合に、掛かる遠征費用を補償する「勝利保険」、80歳代の親が50歳代の引きこもりの子どもの将来のため死亡保険の特約や付帯サービスとして、死亡保険金を信託会社が自動的に管理し、引きこもりの子どもの生活資金として計画的に活用したり、社会復帰の民間・行政の自立支援プログラム等のサービスを受けられる「8050保険」、高齢者が免許を返納することで受け取れる「ドライバー卒業保険」が選ばれ、保険学ゼミ生賞(図書カード)には、祖父母が孫の面倒を見るときに、それに伴った予想外の事故やけがを補償するための「孫見守り保険」(拓殖大学宮地ゼミナール)が選ばれた。
 同協会では総評として、「回を重ねるごとに、詳細に記載されたアイデアが多くなる傾向があったが、今年は特に顕著だった。消費者と保険の距離感がとても近くなってきているのだと、コンテストを通じ感じる結果となった」とコメントしている。