2020.03.10 ■新型コロナウイルス対応㊤ 商品・契約取り扱い状況[2020年]

 新型コロナウイルス感染症に関して、生保、損保各社の商品・サービスの対応状況についてまとめた。入院・死亡給付金の支払案内、付帯サービスの案内、契約者貸付の特別取扱い、車検有効期間延長に伴う自賠責の取扱い、海外旅行保険の支払案内など。

入院・死亡給付関連
 メットライフ生命は2月21日、「『新型コロナウイルス感染症』に関するお取り扱いについて」を公表、新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下において顧客の利便性を高めるため、同社の主な商品における保険金・給付金、請求時の取り扱い、商品付帯サービス、新規の引き受けについての案内を出した。
 それによると「疾病入院給付金は、疾病の治療を目的とした入院に対して支払うので、検査により陽性と判定されたか否かにかかわらず、医師の指示で医療機関に入院した場合は支払対象」「新型コロナウイルス感染症により死亡した場合は、疾病による死亡保険金の請求対象となるが、現時点では、災害死亡保険金、災害高度障害保険金については請求対象外」とし、請求時の取り扱いについて記載している。
 また商品付帯サービス「健康生活サポートダイアル」(ティーペック提供)で、新型コロナウイルス感染症に関してもヘルスカウンセラー(保健師・看護師等)が、24時間年中無休で対応している、と案内している。新規の引き受けについては、新型コロナウイルス感染症の影響により申し込みに必要な診断書の提出等に遅延が生じる場合には、事情を配慮の上、待つとしており、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合には、完治後に所定の契約手続きをする、としている。
 ライフネット生命は2月28日、医療保険の「入院給付金」等は、新型コロナウイルス感染症への罹患の有無にかかわらず、医師の指示で病院または診療所に入院した場合に給付金の支払い対象となる、定期死亡保険についても新型コロナウイルス感染症により死亡し場合、「死亡保険金」の支払い対象となる、と案内した。また、就業不能保険については、「休業補償や失業保険とは異なり、新型コロナウイルス感染症対策により、時差勤務や在宅勤務などが推奨されているが、勤務先の指示による自宅待機や、休業等は所定の就業不能状態に当てはまらないため、給付金の支払い対象外」としている。
 SOMPOひまわり生命は2月28日、「『新型コロナウイルス』感染拡大に伴う給付金請求の簡易取扱のご案内」を公表、「日本国内における新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、保険金・給付金の迅速かつ適時適切な支払を確保するために、給付金請求書類の簡易取扱範囲の拡大を実施」を案内した。「新型コロナウイルスを原因とする疾病はその他の疾病と同様、疾病入院給付金や死亡保険金の支払い対象となる。災害入院給付金や災害死亡保険金については、現時点では保障の範囲外」とし、①新型コロナウイルス(疑いを含む)を原因とする入院であること②請求の入院日数が30日以内であること―の「取扱要件」を共に満たす場合、給付金請求時の必要書類である同社所定の「入院・手術・通院等証明書(診断書)」に代えて、自己申告による「治療状況報告書」および「医療機関が発行する領収証コピー等」での簡易請求の取り扱いを可能とする、としている。
 マニュライフ生命は3月2日、「『新型コロナウイルス感染症』に関する保険商品のお取り扱いについて」で「疾病入院給付金」は検査により陽性と判定されたか否かにかかわらず、加入契約に規定された所定日数を満たした入院の場合、支払対象となること、新型コロナウイルス感染症により死亡した場合には、「死亡保険金」の支払対象となるが、感染症による所定の「災害死亡保険金」支払対象外となると案内した。給付金の請求には、簡単かつ迅速な請求手続きが可能な「給付金らくらく請求」を案内、付帯サービス「メディカルリリーフ(プラス)」の「メディカルほっとコール24」(ティーペック提供)が24時間常勤体制で対応していると案内している。
 チューリッヒ生命は3月3日、「『新型コロナウイルス感染症(COVID―19)』に関するお取り扱いについて」を公表し、疾病入院給付金、疾病による死亡保険金の支払い対象となること、災害高度障害保険金の対象外であること、入院給付金請求手続きの簡易取り扱いなどを案内している。また、商品付帯サービス「メディカルサポート」「メンタルヘルスサービス」(以上、ライフケアパートナーズ提供)、「Doctors Me」(アドメディカ提供)で、コロナウイルスに関する相談を受け付けていることを案内している。
 こくみん共済coopは2月27日、「新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ」を発表、「新型コロナウイルスによる肺炎は、病気による共済金の対象」とし、対象となる主な共済として、こくみん共済、せいめい共済、総合医療共済、団体生命共済を案内している。
 CO・OP共済も3月4日、「新型コロナウイルスによる肺炎は、病気による共済金の対象となる」と案内を出した。

契約者貸付
 エヌエヌ生命は3月5日、「令和二年新型コロナウイルス感染症により影響を受けられたお客さまに対する契約者貸付の特別取扱いについて」を発表、「新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下において、影響を受けた顧客への利便性を高めるため、契約者貸付について、特別取扱いを実施する」と案内を始めた。
 契約者貸付(新規貸付)の利率引き下げによる利息免除の対応をするもので、対象は全契約者(法人および個人)(ただし、変額保険・変額年金保険・一時払変額年金保険を除く)。年利ゼロ%の金利を契約者貸付限度額まで適用する。特別金利適用期間は9月30日までで、受付期間は6月1日まで。「昨今のコロナウイルス感染症の拡大にともない、収入の減少等により運転資金が不足している中小企業の顧客があり、その資金を得るために保有契約の解約を希望されるケースが発生してきている。ただ、保険契約をいったん解約してしまうと保障が失われることとなることから、契約者保護の観点から、契約者である法人が保障を失うことなく資金を調達する手段として、『契約者貸付制度』で金利ゼロで貸し付けができる特別取り扱いを行うことを決定した」としている。

損保関連
 自賠責保険(共済)については国土交通省が、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、自動車検査証の有効期間が2月28日から3月31日までの自動車について、全国一律に4月30日まで自動車検査証の有効期間を伸長することを2月28日付で公示した。これに伴い、継続検査を受検するまでに保険契約期間の終期が到来する自賠責保険(共済)契約については、継続契約の締結手続きが4月30日を限度として猶予されることになった。国交省では「特に年度末の繁忙期には不特定多数の申請者が全国の運輸支局等の窓口に集中するため、感染拡大のリスクが増大することから、道路運送車両法第61条の2の規定を適用し、自動車検査証の有効期間を伸長することとした」としている。
 海外旅行保険については、AIG損保が2月7日、「新型コロナウイルスによる感染症に関する保険の取扱いについて」を発表し、海外旅行保険の疾病治療費用を補償する特約は「旅行行程中に発病または感染し、旅行行程終了後72時間を経過するまでに治療を開始した場合」支払対象となる、疾病死亡を補償する特約は、▽旅行行程中に病気により死亡した場合▽旅行行程中に発病した病気または旅行行程終了後72時間以内に発病した病気(その原因が旅行行程中に発生したものに限る)により、旅行行程の終了日を含めて30日以内に死亡した場合(ただし、旅行行程終了後72時間を経過するまでに医師の治療を開始したものに限る)―に支払対象となる、とした。旅行変更費用補償特約についても、渡航先に対する退避勧告あるいは渡航中止勧告が発出され、出国を中止した場合に支払対象となる、とした。ジェイアイ傷害火災、エイチ・エス損保、損保ジャパン日本興亜、ソニー損保、チャブ保険なども同様の案内を出し、保険期間の自動延長なども案内されている。

その他
 そのほか、あそしあ少額短期保険は2月28日、結婚式総合保険での新型コロナウイルスへの対応にかかる結婚式中止費用の有無責で案内を出している。