2020.01.17 ■あいおいニッセイ同和損保 MaaS運営者向けプランを発売[2019年12月25日]

 あいおいニッセイ同和損保は、今後拡大するマルチモーダルサービス(注1)に伴うリスクに対応するため、MaaS(注2)保険第2弾として「MaaS運営者向けプラン」の提供を昨年12月25日から開始した。複数のモビリティサービスを組み合わせた経路検索・予約・決済などを可能にするなど、MaaSの普及を後押しすることを目指し、MaaS運営者向けに万が一の際の安全・安心の提供と魅力あるサービス構築をサポートする保険プラン。
 同プランは、①安心な事業運営への備え②利用者への各種サービス③利用者向け各種補償―などのリスクに対応する分かりやすい商品設計となっている。また、MaaSアプリの利便性を向上させるために、万が一のトラブルの際のサポートや、各交通事業者で手配している保険の補償内容等を一元管理できるよう支援する。
 「①安心な事業運営への備え」では、スマートフォンアプリ利用に伴って発生し得る損害を補償する。「MaaSアプリがハッキングされ、大量の顧客情報が抜き取られてしまい顧客への謝罪費用等がかかった場合」「決済システムのログイン情報が第三者に特定され、他の端末から顧客が登録している銀行口座が不正利用され残高が減少した場合」などの例が考えられる。また、事故、不祥事等が発生した際に必要な措置にかかる各種費用も補償する。例としては「不祥事等発生時の対応につき、コンサルティングを受けたことで費用がかかった場合」など。
 「②利用者への各種サービス」では、MaaS運営者が提供するサービスで、サービス約款に基づく約定を履行することによって負担した費用を損害保険金として補償する。「乗客がバス内に忘れ物をし、自宅まで届けた際の費用」「配車予定時間から到着が大幅に遅れたため、お詫びとして次回乗車時に使用できる電子クーポン等を配布した際の費用」などの例が考えられる。
 「③利用者向け各種補償」では、交通機関等に乗車中のみならず、乗り継ぎ区間のケガ、賠償事故等のリスクに対し、利用者に発生し得る損害を包括的に補償する。提供するMaaSアプリの類型(都市型・地方型・観光型等)によって最適な保険加入スキームを同社が提案する。「バスから電車に乗り継ぎ中に転んでケガをした」「訪日外国人が日本滞在中に病気にかかってしまった」などの例が考えられる。
 その他に「安心なMaaS運営に向けたサポート」として、▽各交通事業者で手配している保険の補償内容・事故発生時の対応方法を確認し、MaaSアプリの利便性の向上支援▽万が一利用者が事故に遭った際、アプリ内でのスムーズな事故報告が可能となる体制の構築支援―を行う。
 現在、数多くの自治体や企業が、より便利で自由な移動体験の提供や地域の交通課題への対応に向けて、MaaS等新しいモビリティサービスの取組みを検討している。
 あいおいニッセイ同和損保では、経済産業省・国土交通省主催の「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」や、MONET Technologies㈱が設立したMONETコンソーシアムなどに参画。また、260以上の自治体との連携協定締結をはじめとする地方創生の取り組みや、フィンランドでマルチモーダルサービスを展開するMaaS Globalとの業務資本提携を行うなど、グローバルな視点で新モビリティサービスの発展を推進している。新しいモビリティサービスの普及を促進するため、MaaS向け保険の検討・開発を進め、昨年8月には、オンデマンド交通を運営する自治体・事業者向けに、MaaS保険第1弾として「オンデマンド交通事業者向けプラン」の提供を開始している。
 (注1)マルチモーダルサービス:出発地から目的地まで、複数のモビリティサービスを組み合わせた経路検索・予約・決済などを可能とするサービスのこと
 (注2)MaaS:「Mobility as a Service」の略語で交通インフラにおいて「移動」をサービスとして提供すること