2020.01.16 ■日本郵政、日本郵便、かんぽ生命 「新社長記者会見」、信頼回復に向け対策報告[2020年1月9日]

 日本郵政、日本郵便、かんぽ生命の3社は1月9日、東京都千代田区の大手町プレイスカンファレンスセンターで記者会見を開き、1月6日付で就任した日本郵政の増田寛也代表執行役社長、日本郵便の衣川和秀代表取締役社長兼執行役員社長、かんぽ生命の千田哲也代表執行役社長の3人が、不適正募集問題からの信頼回復に向けた対策などについて報告した。千田社長は「信頼回復と再生が使命だ。新しいかんぽ生命を創造できるように全役職員の姿勢を正し、全力で取り組んでいく」と決意を語った。
 記者会見で、増田社長は一連の不適正募集についてあらためて陳謝し、「速やかに調査を進め顧客の不利益を一刻も早く解消することで信頼を回復していく」と語った。また、日本郵政グループにとって、創立以来の最大の危機だと受け止め、一刻も早く全容解明することで、顧客の不利益を解消し再発防止策に取り組むとした。
 そのためには、全社員と危機感を共有し、緊張感を持って、実施しなければいけないことを進めていくことが重要だとし、「愚直・誠実・謙虚に、さらに感謝の気持ちを忘れず進んでいく。新しい日本郵政グループに生まれ変わらなければならない」と決意を述べた。
 千田社長は、顧客の信頼回復に向けた改善策を確実に実行し、迅速かつ丁寧に、再発防止に向けた内部体制の強化とコンプライアンスを徹底する方針を示した。また、失った信頼の回復には長い期間を要するとし、「調査や顧客の利益回復のために、何が大切かを見極めながら一歩一歩着実に前に進んでいきたい」と語った。
 同氏は、真に顧客本位を重視した組織に変わるために日本郵便と一体となって改革を進める必要があると強調し、「新しいかんぽ生命に生まれ変わるためには、問題点に目を向け、反省することが必要だ。情報共有の基盤作りを実践し、全社員が同じ問題意識を持ち、同じ方向に向かってグループ経営をすることが信頼回復の第一歩だ」とした。
 衣川社長は、郵便局に対する信頼を一日も早く回復するために、行政処分に対して確実に対応することは当然のことながら、実効性のある業務改善計画作成を最優先課題として取り組み、業務停止期間中に再発防止策の徹底を図りたいとの考えを示した。
 また、20年度は営業目標を販売額を重視したものから保険料の純増額をベースにしたものへと見直しを行い、手当に関しては、契約乗換に関する手当を不支給にして社員の基本給を見直す措置を実施するとした。
 さらに、顧客情報の一元管理やコンプライアンス・監査部門の機能を充実させた上で、職員が顧客に対して、ニーズに合った商品・サービスを提供する顧客本位のコンサルティングサービスを順次展開していく方針を示した。
 不適正募集の事案に関して特別調査委員からは、リスク感度の低さを指摘されたと言及し、「局員の声に耳を傾け、組織風土を変え、風通しのよい会社をつくっていきたい。顧客の信頼回復を目指し、日本郵便が新たに生まれ変わるスタートの機会になるように役員・社員・グループ各社と力を合わせて全力で取り組んでいく」と決意を述べた。