2019.11.01 あいおいニッセイ同和損保 LeapMindと資本業務提携 極小量子化ディープラーニング技術活用

 あいおいニッセイ同和損保は10月、ディープラーニング技術を活用し企業向けにソリューションを提供するLeapMind㈱(東京都渋谷区、以下、LeapMind)と資本業務提携をしたと発表した。LeapMindの極小量子化ディープラーニング技術を活用したテレマティクス自動車保険の商品開発を進めていく方針。

 LeapMindは、低消費電力なFPGA(内部の論理回路の構造を、外部から設計情報を送り込むことで再構成し動作を変更することができる回路規模が数万ゲート以上に及ぶ大規模で複雑な半導体チップ)などの電力が限られた小さなコンピューティング環境でもデバイス側でディープラーニングが稼働する「極小量子化ディープラーニング技術」に注力している企業。同技術により、各デバイスで取得したデータをクラウドなどに転送することなく、リアルタイムで解析しさまざな事象を検知することが可能となる。さらに、デバイスで常に取得される膨大なデータの中から、必要なデータを取捨選択することも可能となり、さまざまなソリューションを生み出すことが期待される。
 IoT技術の進展によりさまざまなデバイスからデータ取得が可能となり、コネクティッドカーや自動運転車から取得できるデータ量は飛躍的な拡大が予想されている。取得したデータをカメラなどの端末上でディープラーニングによる解析を行う「極小量子化ディープラーニング技術」は、これからの自動運転を見据えた社会で必須の技術となると想定される。
 あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険のパイオニアとしてさまざまな商品を発売しており、自動運転社会を見据えて「CASE・MaaS」に対応した商品・サービスの研究・検討を進めている。各種商品から得られるデータをより有効かつ効率的に活用し、データを駆使した魅力的な商品・サービスを開発することを目指して、LeapMindと資本業務提携をしたもの 。
 同社とLeapMindは今回の資本業務提携を通じて共同検討体制の強化を図り、極小量子化ディープラーニングを活用した商品・サービスの研究を進めていく。具体的には、同社のテレマティクス自動車保険へ当該技術を取り込み、デバイス側で映像解析した結果を踏まえたより詳細な安全運転アルゴリズムの研究から進め、安全運転に努めている顧客へのさらなる保険料割引や、デバイス側での画像処理を活用した新たなサービスの提供を目指す。また、LeapMindが協業する企業等の取り組みと連動した保険商品の研究開発も視野に、連携領域の拡大を目指していくとしている。