2019.10.31 損保4社、全国中央会と連携協定 中小企業への経営支援力強化 リスクマネジメントのノウハウ提供

 東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上の4社は10月28日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で、全国中小企業団体中央会(全国中央会)と「中小企業組合の経営支援力強化に関する連携協定」の締結式を行った。同協定は、損保4社と全国中央会が相互に幅広い連携協力関係を構築し、各社が持つ機能や人材、ノウハウ、情報などを最大限に活用し、中小企業のリスクマネジメントを支援することで、中小企業組合の活性化を図ることを目的としたもの。締結式では、協定概要の説明の他、全国中央会の中澤善美常務理事と損保4社の役員らが、各社の協定に関わる取り組みを紹介した後、協定書に署名を行った。

 同協定の主な連携項目は、①団体保険制度の普及・推進②各種研修会への講師派遣及びカリキュラムの作成③BCP策定支援に関するノウハウの提供④労務リスク対策に関するノウハウの提供⑤健康経営に関するノウハウの提供⑥サイバーリスクに対するリスク管理体制の構築⑦都道府県中小企団体中央会職員への保険制度の基礎知識の提供⑧その他、この協定の目的を達成するために必要な事項に関すること―の8項目を掲げている。
 具体的な取り組みは、全国中央会が主催する研修会に損保会社の社員を講師として派遣する。カリキュラムは、全国中央会と損保会社が連携協力しながら、全国中央会専用のコンテンツを策定する。
 また、中小企業が課題としているBCP策定や、労務リスク、健康経営の実践、サイバー攻撃対応などの解決に向けて、損保会社がノウハウを提供し、全国中央会がリスクマネジメント支援策の一端を担えるように情報提供していく。
 さらに、リスク対策として、団体保険制度やその基礎知識を提供し、会員事業者が万一被害に遭った場合でも、事業活動を継続できる環境整備を行うなど、全国中央会と損保4社が相互に連携協力しながら、中小企業のリスクマネジメントを支援する。
 締結式であいさつした全国中央会の中澤常務理事は「全国中央会は、中小企業が共同で経営資源を補強し合える取り組みを展開することで日本経済や中小企業の成長と発展に向けて支援してきた」と振り返り、中小企業は、デジタル化の急速な発展や、深刻な人材不足、後継者問題など、さまざまな経営課題が山積していると述べた。
 全国中央会は、協定締結を通じて、中小企業が備えるべきリスクに対しての事前対策を請け負い、被害防止や低減を図る体制整備を進めていくとした上で、「同協定を、地域で活躍する中小企業組合や、中小企業の経営の安定、経営者・従業員・家族の健康と財産を守ることにつながる有意義なものにしていきたい」と期待を込めた。
 あいおいニッセイ同和損保の吉田靖之専務は、地方創生プロジェクトとして、BCPや災害予測システム、労務問題といった点で地域に密着しながら企業にさまざまな課題の解決策を提案していると述べ、「こうしたセミナーや研修などを当社の社員と代理店が提案し続けることで役に立ちたい」と述べた。
 損保ジャパン日本興亜の桑田憲吾専務は、全国中央会について、中小企業を支え、発展に尽力してきたとし、「われわれと中央会との『つながる力』を発揮して、日本経済を支える中小企業の発展に注力していく。手を携えて一緒に取り組んでいきたい」と述べた。
 東京海上日動の中村直樹専務は、自然災害の多発やテクノロジーの進化などによって、日本を取り巻く環境が大きく変化し、想定外のリスクが顕在化しているとし、「中小企業もリスク対策を強化する必要があることから、幅広いネットワークを通じてノウハウを提供し、リスクマネジメントやリスク管理に役立つ取り組みを進める」と語った。
 三井住友海上の大内章生常務は、「地方創生に必要なことは、中小企業の力強い成長と発展だ」とし、社内に経営サポートセンターを設立し、中小企業への支援を行っていると説明した。同氏は、「連携協定が全国中央会の活動に大きく貢献して、中小企業の力強い発展につながってほしい」と呼び掛けた。