2019.10.29 東京海上日動 20年1月に自動車保険改定 AIによる「おすすめプラン」提示

 東京海上日動は2020年1月に自動車保険を改定する。AIを用いて同社の契約データを分析し、更新契約の帳票に顧客一人一人の属性や契約条件に応じた「おすすめプラン(AIおすすめ)」を表示する。顧客ニーズによりマッチすると思われる特約の組み合わせを提示することで、補償の拡充を促していく。また、日常弁護士費用特約や本人限定特約を新設する。

 「AIおすすめ」では、同社が保有する1000万件を超える契約データのうち、性別や年齢、運転歴など100項目以上の顧客情報をAIを用いて分析し、契約条件等に応じて顧客の採用率が高いと判定したプランを原則、前契約同等プランと共に提示する。導入は20年1月以降始期契約からで、更新の2カ月ほど前に届けられる「更新ガイドブック」と、契約更新時に必要となる「更新確認書」で案内する。両帳票には、「AIおすすめ」で提示した補償内容を顧客が理解しやすくするために、イラストを用いて補償の概要を説明した「おすすめ画像」も表示。更新ガイドブックにはさらに、「おすすめ画像」で紹介した補償の詳細を説明した「おすすめチラシ」も同封する。
 これまでは、補償項目にあらかじめ優先順位を付けて登録し、契約ごとに未付保の補償で順位の高いものを加える「優先順位おすすめ」を表示していた。導入に先立って「AIおすすめ」を試行したところ、「優先順位おすすめ」に比べて採用率が約1.5倍に増加したという。代理店の希望によって、「優先順位おすすめ」を従来通り採用したり、両プランを併存させたりすることもできる。
 今回の改定では、自動車事故に加えて、日常生活における被害事故の弁護士費用を補償する「弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型)」も新設する。日常生活の事故でも賠償金が高額になるケースが増えており、弁護士費用を補償してほしいとの要望が多く寄せられたことから特約のラインアップに加えた。
 この他、10月に実施された消費税の10%への増税などを要因とした自動車保険料の引き上げに合わせ、これまで運転者を限定する特約として導入していた「本人・配偶者限定特約」(6%割引)に加え、運転者を記名被保険者本人に限定する「本人限定特約」(8%割引)を新たに開発。併せて、同特約を契約した際のゴールド免許割引率を最大15%に拡大する(「本人・配偶者限定特約」の場合は最大12%)など、契約者にとってより加入しやすい改定を行う。
 改定を推進する同社個人商品業務部自動車グループでは、「『AIおすすめ』は、新しいテクノロジーを活用して、よりお客さまのニーズに合った補償を提案することを目指しており、また、特約の新設では、お客さまが以前から要望していたことを商品に反映させた。今後もお客さまにとって最適な商品・サービスを提供することを通じて、安心・安全をお届けしていきたい」としている。