2019.08.19 SOMPOHD 19年度第1四半期決算 正味収入保険料6.3%増
SOMPOホールディングスが8月9日に発表した2019年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2.3%増の1兆167億円となった。このうち正味収入保険料は、SI(Sompoインターナショナル)および損保ジャパン日本興亜の増収が寄与し、同6.3%増の7944億円。生命保険料は同0.3%減の829億円だった。損保ジャパン日本興亜の保険料増収に伴う責任準備金負担や再保険コストの増加などが影響し、連結経常利益は428億円で同298億円の減益、連結純利益は305億円で同249億円の減益となったものの、通期業績予想に対しては計画通りの進捗(しんちょく)となった。修正連結利益は549億円で、通期予想(1850億円)対比の進捗率は30%と順調に推移している。
国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜は、保険料増収に伴う責任準備金負担の増加や異常危険準備金の繰入率上昇、良好な損害率を背景に取り崩しが減少したこと等がマイナスに寄与し、保険引受利益は前年同期比178億円減の45億円となった。コア保険引受利益は299億円で、通期予想(844億円)対比の進捗率は35%。
正味収入保険料は、火災保険、自動車保険の増収がトップライン増加をけん引した他、中小企業向けの新種保険も引き続き好調だったことから、同1.8%増の5637億円となった。種目別に見ると、火災は長期契約を中心とした新規契約の増加や、企業物件を中心とした料率適正化などを主因に同7.0%増の625億円、海上は同1.6%増の117億円、自動車は19年1月の商品改定によるノンフリートの単価アップに加え、大口フリートの成約などにより同1.1%増の2767億円、自賠責は同5.1%増の665億円、その他は中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調で同1.4%増の953億円と前年同期実績を上回った。傷害は同3.5%減の508億円だった。
正味支払保険金は同0.9%減の2913億円だった。第1四半期決算では支払備金を簡便法で算出しているため、国内自然災害に係る発生損害額を集計していないが、業績に影響を与える大規模な国内自然災害の発生は限定的とみている。なお、19年度通期業績予想には、国内自然災害の正味発生損害額として530億円を織り込み済み。
E/I損害率(自賠責・家計地震を除く)は58.9%と同1.4ポイント上昇したものの、通期業績予想61.7%を下回る良好な水準で計画通り推移している。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は、人件費を中心に事業費を着実に削減し、同0.1ポイント低下の32.7%。自賠責と家計地震を除いたコンバインド・レシオは、同0.6ポイント改善し87.0%だった。
資産運用損益では、政策株式削減額は208億円(ヘッジ込みで328億円)となり、19年度の削減目標(1000億円程度)に対して着実に削減。資産運用粗利益は302億円となった。
経常利益は同239億円減の287億円、当期純利益は同178億円減の212億円。ともに減益となったものの、計画通りの進捗となっている。ソルベンシー・マージン比率は前年度末比20.2ポイント上昇して742.4%となった。
国内生保事業で損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、新契約高(個人保険)が前年同期比51.3%減の6269億円、新契約年換算保険料は同38.9%減の55億円だった。保有契約高(個人保険と個人年金保険)は、同8000億円増の23兆3000億円。保有契約年換算保険料は同58億円増(うち保障性商品は65億円増)の3779億円だった。当期純利益は同1.7%増の48億円で、通期業績予想(160億円)に対して順調に進捗している。
保険料等収入は、保障性商品を中心とした保有拡大により、同0.3%増の1057億円となった。経常利益は78億円で横ばい、基礎利益は82億円で同6.1%の減益となった。ソルベンシー・マージン比率は1551.1%で、前年度末比43.6ポイント上昇した。
介護・ヘルスケア事業等では、入居率は引き続き改善し、修正利益は前年同期比1億円増益の11億円となった。
海外保険事業の収入保険料は、SIのスペシャルティ保険を中心に拡大し、同364億円増の2158億円。修正利益はSIの利益成長(+15億円)を主因として、同3億円増益の122億円となった。
地域別では、欧米の収入保険料は同414億円増の1780億円。アジア・中東が同7億円減の202億円、中南米は同42億円減の176億円だった。修正利益は、欧米はSIのトップライン成長を主因に同15億円増の91億円、アジア・中東は同3億円減の32億円、中南米は大口事故を主因に▲1億円と同8億円の減益となった。
19年度の通期連結業績予想は、5月20日に公表した数値から修正なし。消費増税などがあるものの、各事業のオーガニック成長に加え、国内外自然災害の平常化などにより、連結経常利益は510億円増益の2500億円、連結純利益は1680億円と過去最高益を見込む。株主還元の原資となる修正連結利益は、714億円増益の1850億円を見込む。