2019.04.26 「禁煙推進企業コンソーシアム」設立 東京都医師会・日本対がん協会と連携、「社内禁煙の推進」に特化
4月18日、東京に本社や事業所を置く企業を中心に、公益社団法人東京都医師会や公益財団法人日本対がん協会と連携し、「禁煙推進企業コンソーシアム」が設立された。同コンソーシアムには、アフラック、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、SOMPOヘルスサポートを含め、23企業・団体が参画。同日、東京都千代田区の東京都医師会館で開催された発足発表会では、東京都医師会の尾﨑治夫会長が発起趣旨、取り組み概要を紹介した他、小池百合子東京都都知事がゲストとして登壇。また、参加企業の代表者がコンソーシアムへの入会理由、企業内禁煙推進に対する取り組みの狙いや意気込みを語った。
2016年度の厚生労働省『喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書』では、日本人の年間死亡者は、能動喫煙によって約13万人、受動喫煙によって約1万5000人(肺がん、虚血性心疾患、脳卒中による死亡)と推計されており、禁煙は最も基本的かつ効果的な対策であると考えられている。また、東京都では、都民の健康促進の観点から、そして20年の東京五輪に向けて、「東京都受動喫煙防止条例」を制定し、受動喫煙防止対策を推進している。
同コンソーシアムでは、これらの背景を踏まえ、「社内禁煙の推進」に特化。参加企業は、18年3月に閣議決定された「がん対策推進基本計画(第3期)」の目標である「22年度の喫煙率12%」を社内で達成することを共通の目標として、より健康的な企業を目指す。
今回、設立メンバーとして参画するアフラックは、16年に「アフラック健康経営宣言」を制定。中でも、がん保険を主力商品とする保険会社として、「喫煙率の低下」を重要なテーマと考え、主な取り組みの一つとしている。同社では、全営業日で就業時間内禁煙とする取り組みを「ビジネス禁煙365」と名付けて推進するとともに、受動喫煙を防ぐために、オフィス内全面禁煙に加え、宴席やリースカー・レンタカー内も禁煙としている。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、18年7月、世界保健機関(WHO)「Revolution Smoke―Free(禁煙革命)」に参画。18年10月には、役員・部室長の就業時間内禁煙を開始、禁煙カウンセリングのホットラインを設置した。また、19年4月からは、全社員の就業時間内禁煙を開始し、20年4月入社対象の新卒採用では、「非喫煙者もしくは入社時点で喫煙されない方」を募集要項に明記するなど、禁煙の取り組みを強化している。
SOMPOヘルスサポートは、「健康経営」の取り組みとして、同社社員やその家族の健康維持・増進を目的に、禁煙を希望する社員を会社全体で支援することを目指し、今回、同コンソーシアムに参画。社員の禁煙治療費の補助や禁煙セミナーの開催などを推進し、現状の喫煙率10%を22年度終了までに5%にすることを目標とする。
同コンソーシアム発足に当たり、東京都医師会の尾崎会長は、「本コンソーシアムは禁煙に特化し、さらに経営トップにもコミットしてもらうことを特徴としており、禁煙を少しでも検討している人をサポートしていく。私たちの活動が、より多くの人々の健康増進、そして健康寿命の延伸へのきっかけになることを祈念している」と述べた。
また、小池都知事は、「東京都でも『東京都受動喫煙防止条例』が19年7月1日の学校等での敷地内禁煙を皮切りに、順次始まっていく。コンソーシアムに参加する皆さまと共に、禁煙を推進していきたい」と述べた。
今後、同コンソーシアム参加企業は、社員の健康増進を主目的とし、社内喫煙率の低下を共通の目標としてさまざまな取り組みを展開することで、企業による禁煙の先進的な動きを通じて、社会全体に禁煙の重要性を発信していく。
また、コンソーシアムでは、継続的に参加申し込みを受け付け、今後も参加企業の増加を見込んでいる。