2019.04.23 セコム損保 自由診療保険「メディコムワン」 乳がん経験者向けのがん保険 引受リスクに正面から取り組む

 乳がんの罹患(りかん)率が増加の一途をたどっている近年、再発・転移や新たながんについて不安を感じる女性も多く、セコム損保の乳がんを経験した女性のためのがん保険「MEDCOM One(メディコムワン)」のニーズが高まっている。同社メディコムコンタクトセンターに寄せられたメディコムワンの資料請求件数は、ネット広告を開始したこともあり、2018年度は前年より1.4倍に増加した。
 乳がんは、日本女性がかかる罹患率がトップのがんであり、その罹患率は依然として増加の一途をたどっている。生涯のうちに乳がんになる女性の割合は、「国立がん研究センターがん情報サービス」の最新がん統計によると、11人に1人となっている。
 同社が引受リスクの高い保険商品の販売に取り組む理由は、04年から応援している“ピンクリボン運動”がきっかけとなっている。年代別で見ると、乳がんの罹患率は30歳代後半から増加し始め、40歳代後半から50歳代前半という働き盛りでピークを迎える。さまざまなイベントに参加する中で、乳がんを経験した人の保険の選択肢が少ないことが分かり、再発や転移・乳がん以外の新たながんへの不安を抱えている人たちの役に立ちたいという思いから「メディコムワン」を開発した。「ワン」には、“がんは1回限りで再発しないでほしい”という願いが込められている。商品業務部医療・傷害グループの海老原大輔課長は、「ピンクリボン運動に参加する中でお客さまの声を直接聞けたことは大きく、がんの再発の不安に寄り添い、万一のときも納得のいく補償を提供できる商品となった」と話す。
 同商品の入院治療費は無制限、通院治療費は5年ごとに1000万円まで掛かった治療費を補償する他、セカンドオピニオン外来の費用も補償。また、公的医療保険の適用外で通常は全額自己負担となる新しい治療法や国内未承認の抗がん剤などの「自由診療」も、現在全国に約280カ所あるセコム損保の提携病院と約400カ所のがん診療連携拠点病院、その他の大学附属病院などで治療を受けた場合には補償の対象となる。
 同社のメディコム・ナースコールセンターは「がんの診断確定」を受けた被保険者専用のコールセンターで、看護師資格を持つセコム損保のスタッフが検査や治療法など、がん治療に関する一般的な情報について相談を受けている。同センターでは罹患者別の情報をスタッフ全員で共有しているため、どのスタッフが電話を受けても迅速に相談に対応することができる。利用した顧客からは、「大病を患ったが、完治に向けてここまで来られたのも、メディコム・ナースコールセンターの力添えがあったからだ」と感謝の声が寄せられている。同センターの大塚隆慶センター長は、「がんに関するより正しい、有益な情報を提供できるよう取り組みを進めている」と語る。
 がん経験者が保険に加入する場合、治療が終了していることに加え一定の年数が経過していることなどの条件がある場合が多いが、同保険では罹患した乳がんがステージⅠであれば、加入審査はあるものの、乳がんの切除手術から1年超経過し術後補助療法としてホルモン療法を受けている期間中でも、がんの所見がなければ申し込める(補償対象となる治療費は乳がんの再発・転移や他部位の新たながんによる治療費であり、加入時に受けているホルモン療法等は対象とはならない)。
 営業企画推進部の伊集院正治課長は「当商品は、がん診断が確定した場合の遺伝子検査費用も補償する。遺伝子検査によって最も適した抗がん剤が分かれば、治療に際して身体的な負担を軽減できる可能性もある。費用面で心配することなく治療に専念できると感謝の声が寄せられることも多く、自信を持ってお客さまに勧められる商品であり、今後もより多くのお客さまに当商品を知っていただけるようウェブサイトの改善策やチラシの作成などの取り組みを行っていきたい」としている。