2019.04.22 三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保 仏スタートアップ企業と協業 AIで保険金不正請求検知 迅速・適切な保険金支払い実現
4月11日、MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、フランスのスタートアップ企業であるシフトテクノロジー社(CEO:ジェレミー・ジェウィッシュ)が提供する、保険金不正請求検知ソリューションの運用を開始すると発表した。両社によると、保険金支払いの基幹業務において、スタートアップ企業のソリューションを本格展開するのは、国内損害保険業界では初の事例になるという。三井住友海上は、4月11日からすでに同ソリューションの運用を開始しており、あいおいニッセイ同和損保は2020年度から開始する。
シフトテクノロジー社は、2014年にフランスで設立されたスタートアップ企業。設立以来、グローバルに事業を拡大し、欧米・アジア等を中心に70社を超える保険会社・保険協会等にサービスを提供している。
同社が提供する保険金不正請求検知ソリューションは、AIと人によるデータサイエンスのノウハウを組み合わせた「SaaS(注)+ソリューション」で、世界中の保険会社の保険金支払機能強化に貢献している。
近年、保険金の不正請求は、手口が複雑化・巧妙化する傾向にあるだけでなく、組織的な犯行も増加しており、社会問題となっている。
こうした中、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保では、不正請求ゼロを目指し、健全かつ安定的な損害保険制度の運営を維持するため、今回、不正請求検知に高い知見を有するシフトテクノロジー社のソリューションを導入することを決定した。
シフトテクノロジー社の保険金不正請求検知ソリューションでは、膨大な過去の保険金支払いデータをAI技術の活用により分析し、不正請求と相関関係の高い事故データをスコア化して検知。また、請求に関わる当事者等の隠れた関係性を、ネットワーク図にして可視化する機能も備えており、不正の疑いがある保険金請求を効率的に検知できる他、これまで以上に迅速な保険金支払いを実現する。メンテナンス性・柔軟性にも優れており、複雑化・巧妙化する保険金の不正請求に対しても、迅速に検知することが可能となる。
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の両社では、保険金不正請求検知における高い技術を有するシフトテクノロジー社と協業することにより、保険金支払業務を高度化し、これまで以上に迅速かつ適切な保険金支払いにつなげていくとしている。
(注)Software as a Serviceの略で、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウエア、もしくはその提供形態。