2019.03.18 アフラック、SOMPOHD、日本生命等 湘南会議参加企業8社 合同記者発表会 未病改善へビジネスモデル構築 保険とプログラム提供し行動変容促す
湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、湘南アイパーク)は、アフラック、SOMPOホールディングス、日本生命など8社で構成する「湘南会議」の参加企業で、未病改善に向けた二つのビジネスモデルを構築することで合意したと発表した。2月26日に神奈川県藤沢市の湘南アイパーク講堂で合同記者発表会を行い、メタボの未病男性をターゲットにした「趣味コミュニティアプローチ」と「職場アプローチ」の二つのビジネスモデルの概要を説明した。
「湘南会議」は、湘南アイパークのファシリテーションの下、神奈川県(未病産業研究会)、藤沢市、鎌倉市の支援を受けて設立された、未病のビジネス化を目指した民間企業が共創するコンソーシアム。第一期「湘南会議」にはアフラック、SOMPOホールディングス、日本生命の他、武田コンシューマーヘルスケア、武田薬品工業、電通、ライオン、RIZAPグループの8社が参加している。
第一期「湘南会議」では、「メタボ気味の中年男性が健康に年を重ねるにはどうすればよいか?」をテーマに、対象となる人の行動変容を促し、かつ継続可能なソリューションについて、2018年12月から集中的な議論を行った。その結果、「趣味コミュニティアプローチ」と「職場アプローチ」の二つのビジネスモデルを構築した。
「趣味コミュニティアプローチ」では、スポーツチームやゲーム/エンタメ会社、アイドル/タレントグループなどのファンに対してプログラムを提供する。具体的には、コアとなるファンを持つ団体に保険代理店になってもらい、保険代理店を通して健康増進型保険を提供。その保険加入者に運動、食事などに関するプログラムを提供する。健康化に応じて保険代理店から、選手やアイドルに会えるといった特典を設けることで、行動変容につなげる狙いがある。
一方、「職場アプローチ」は、自治体と連携したエリアの企業にプログラムを提供し、その企業の従業員の健康増進と業績向上につなげる。中長期的には地域の医療費削減と地域経済の活性化に貢献していく。
今後は二つのビジネスモデルに対して、18年度中に提供するサービスプログラムの具体案を検討する。また、自治体とも連携し、19年度以降、サイエンスの見地からのサービスに対するエビデンスを作り、スキームの詳細化を目指したパイロットスタディーを開始する予定だ。
また、第二期「湘南会議」では、「認知症」について取り上げることが決定した。4月に参加企業の募集要項を公表して公募を開始し、6月には新たな参加企業で検討を開始する予定としている。
記者発表会で、湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャーは、「“社内企業家”とも呼べる優秀な人が集まり、会社を超えてアイデアを共有し、新しいビジネスモデルをつくっていく、共創するエネルギーに満ちた会議体だ。湘南の地で生まれたソリューションが、世の中を人々を健康にしていく未来に期待している」と語った。
アフラックは、保険とITを融合したインシュアテックやデジタルヘルス分野でのイノベーション創出に取り組む中で、健康増進や未病領域のビジネス化が課題になっていた。また、他業種におけるオープンイノベーションの必要性も感じていたことから、「湘南会議」は親和性が高いとして参加を決めた。新規事業推進部事業開発課の笠原裕司課長代理は、「湘南会議は他業種の企業が集まり、自治体とも連携できる環境がある。これまでにない健康増進サービスや、重症化予防に向けた取り組みが生み出せるものと期待している」と強調した。
SOMPOホールディングスは、「湘南会議」の立ち上げに当たり、同社と同じく一般社団法人第四次産業革命日本センターに参画している武田薬品工業からの声掛けがきっかけで参加。今後は参加企業と集中的な議論を行い、各企業の強みやネットワークを共有し、未病の課題を解決し得る持続可能なビジネスモデルを検討していく。シニアマーケット事業部の大川久敬課長は、「グループ経営戦略である『安心・安全・健康のテーマパーク』の実現に向け、引き続き検討・議論を深めていきたい」との考えを示した。
日本生命は、「未病に関する新規ビジネス創造」というビジョンに共感したことが、湘南会議に参加するに至った理由の一つ。各領域を代表する企業が参加していることから、議論を通じて多くの気付きや刺激を得ているという。営業企画部営業企画Gの千明広太担当課長は、「未病という領域でどのような付加価値を提供できるのか、業界の垣根を超えて議論することで、保険サービス自体の高度化も期待できる」と述べた。