2019.02.27 かんぽ生命 18年度第3四半期決算 四半期純利益 28.9%増 第三分野が引き続き好調
かんぽ生命は2月14日、2018年度第3四半期決算を発表した。四半期純利益は前年同期比28.9%増の966億円で、通期業績予想(1110億円)に対し87.1%と順調な進捗(しんちょく)となった。個人保険の新契約年換算保険料は、保障性商品へのシフトにより、同7.1%減の2737億円だったものの、第三分野の新契約年換算保険料は同11.6%増の487億円と、前期に続いて第3四半期としては過去最高の水準となった。個人保険の保有契約年換算保険料は前期末比2.5%減の4兆7371億円とやや減少したが、第三分野の保有契約年換算保険料は、同0.7%増の7559億円で、前期に続き、増加基調となっている。超低金利環境の継続を受け、収益追求資産(外国証券、国内株式等)への投資を、同3.4%増の9兆7678億円(総資産の13.1%)まで拡大した。
個人保険の第3四半期累計の新契約件数は、前年同期比1.7%減の132万件となった。商品別では、保険料改定の影響で、貯蓄性の強い商品の占率が減少。普通養老保険は34万件(占率:26.2%、前年同期実績38万件)、特別終身保険は8万件(占率:6.1%、前年同期実績10万件)、学資保険は9万件(占率:7.3%、前年同期実績10万件)だった。
一方、保障ニーズを捉えた営業推進により、特別養老保険は29万件(占率:22.6%、前年同期実績25万件)、普通終身保険(倍型)は31万件(占率:23.9%、前年同期実績27万件)となり、増加傾向が継続している。
普通終身(定額型)は18万件(占率:13.7%、前年同期実績23万件)だった。
個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末から2.9%減少し、2953万件だった。商品別に見ると、養老保険は1191万件(占率:40.4%、前年度末実績1257万件)、終身保険は1302万件(占率:44.1%、前年度末実績1296万件)、学資保険は445万件(占率:15.1%、前年度末実績472万件)、その他は13万件(占率:0.5%、前年度末実績13万件)だった。
連結の経常収益は前年同期比818億円減の5兆9133億円で、通期業績予想(7兆6600億円)に対する進捗率は77.2%となった。保険料等収入は同2183億円減の3兆19億円、資産運用収益は同565億円減の9150億円、責任準備金戻入額は同1812億円増の1兆9292億円だった。
経常費用は同410億円減の5兆6992億円で、このうち、保険金等支払金は同703億円減の5兆1143億円、資産運用費用は同457億円増の1153億円、事業費は同126億円減の3844億円。事業費は約7割を日本郵便へ支払う委託手数料が占めており、第3四半期累計の委託手数料は新契約の減少により、同130億円減の2680億円となった。委託手数料のうち、契約獲得実績に応じて支払う新契約手数料は同143億円減の1118億円、保全・支払業務等に応じて支払う維持・集金手数料は同12億円増の1561億円だった。
経常利益は同408億円減の2140億円で、通期業績予想(2600億円)に対する進捗率は82.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益は同216億円増の966億円で、通期業績予想(1110億円)に対する進捗率は87.1%と増益を確保し、順調に進捗している。総資産は前年度末比3.0%減の74兆4901億円、純資産は同5.6%減の1兆8905億円となった。
資産運用については、昨今の超低金利環境の継続を受け、運用資産の多様化を進めてきた結果、株式・外国債券などの収益追求資産の残高は9兆7678億円、総資産比で13.1%まで拡大した。
平均予定利率は、前年同期から0.01ポイント、利子利回りは0.03ポイント低下し、364億円の順ざやを確保。また、ヘッジ付外債の残高が増加したことに伴い、金融派生商品費用等のキャピタル損益は574億円の損失となった。
有価証券の時価及び含み損益は、総資産の減少等に伴い、満期保有目的や責任準備金対応で保有する債券の含み益の合計は、前期末比減少し、7兆439億円となった。その他有価証券の含み益は、昨年末のマーケット変動を受け、国内株式の含み益が減少したことから、前期末比減少し、3259億円となった。この結果、有価証券全体の含み益は、前期末から減少し、7兆3699億円となった。
健全性の状況については、経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたり健全で安定的な経営を確保するため、危険準備金2兆6億円、価格変動準備金9076億円を積み立てている。将来の逆ざや等を補う目的で積み立てている追加責任準備金は5兆8947億円となっている。連結ソルベンシー・マージン比率は1118.6%と引き続き高い健全性を維持している。