2019.01.31 東京海上日動 アプリ「モバイルエージェント」刷新 代理店と顧客“デジタル接点”構築へ 「顧客単位」の対応・サービス目指す

 東京海上日動は1月17日、顧客向けスマートフォンアプリ「モバイルエージェント」を刷新した。同社では、対面を中心とした代理店と顧客の“リアル接点”に、新たな“デジタル接点”を融合させ、顧客の多様なニーズ・嗜好(しこう)に対し、快適で付加価値が高い提案・サービスを展開できる代理店ビジネスモデルを目指している。今回の同アプリ刷新は、この取り組みの第1弾として実施したもの。これまでは顧客が事故に遭った際の機能が中心のアプリだったが、カメラで保険を簡単に登録・管理できる機能など、新たに顧客が日常的に生命保険と損害保険を簡単に管理できる機能を追加した。契約時に同アプリをインストールしてもらうことで、代理店と顧客のデジタル接点構築の第一歩とする。

 「モバイルエージェント」は、保険に関する日常的なサポートから万が一の事故時まで、便利な情報や機能を集めたスマホアプリ。同社と東京海上日動あんしん生命の契約者の他、契約者以外の人でも利用できる。
 今回追加したのは、カメラで保険を簡単に登録・管理できる機能。他社契約も含め、証券等をカメラで撮影するだけで、AI―OCRが補償内容を自動で読み取り、読み取った内容から保険内容を分かりやすく自動で整理。保険証券をスマホで持ち運ぶことができる。
 同社では、顧客それぞれの状況を踏まえた“One to One”の付加価値が高い提案・サービスの提供と、それらを通じたCX(カスタマーエクスペリエンス)の飛躍的な向上を実現するため、同アプリやマイページの機能拡充にとどまらず、現在、以下の検討を進めている。
 ▽契約・事故・カスタマーセンター・リアル接点(対面等)・デジタル接点(モバイルエージェント・マイページ等)など、社内・代理店全ての情報を顧客単位に統合・集約する仕組みの導入
 ▽新機能を加えて大幅リニューアルした新代理店システムの導入
 モバイルエージェントに加え、導入したそれぞれの仕組みをシステム連携させることで、従来の「契約・サービス単位」という考え方から脱却し、「顧客単位」での対応・サービスの実現を目指すとともに、これまでの代理店の強みや付加価値をさらに強化し、デジタルを活用した代理店ビジネスモデルの構築によって持続的な成長につなげていく。
 近年、消費者ニーズの多様化やテクノロジーの進展に伴い、テクノロジーを活用した顧客ニーズの的確な把握や、最適な商品・サービスの案内がより重要になっている。このような中、同社は中期経営計画「To Be a Good Company2020」において、新たなテクノロジーの活用により商品・サービスの高度化を図ることを目指しており、代理店ならではの高い専門性と温かみのある対応を、テクノロジーを活用して顧客により効果的に届ける力を強化したいと考えている。
 同社では、顧客を取り巻くさまざまな環境変化やデジタル技術の進展を着実に捉え、最適なソリューション・仕組みで代理店の業務変革をサポートし、これからも同社の代理店が選ばれ続けることを目指して取り組みを進めていくとしている。
 なお、モバイルエージェントでは、4月から随時、次の機能を追加する予定。
 ▽万が一の事故や災害発生時をサポート:事故時に位置情報等を活用して、よりスピーディーかつ的確な事故対応をサポートする。広域災害時には、顧客に保険金の請求がないかの確認をプッシュ配信することに加え、保険証券が手元になくても、登録した保険情報からスムーズに保険金の請求を可能にする。
 ▽One to Oneの情報配信:顧客ごとの加入状況等に合わせたお知らせ・レコメンド情報をプッシュ配信する。より詳細な内容が知りたい場合には、そのままアプリでスムーズに代理店に連絡できる。
 また今後、チャットボットを使った代理店への相談機能や、保険の疑問を簡単に検索できる機能、アプリ内で代理店とチャット形式でやり取りできる機能の検討・追加も予定している。