2018.12.18 生保協会創立110周年迎える 社会課題解決への貢献誓う 110周年小史刊行

 生保協会は12月7日、創立110周年を迎えた。これを記念して、110周年の歴史をまとめた小史を刊行し、同日、生保協会(東京都千代田区)で「110周年小史刊行披露会」を開催した。当日は稲垣精二協会長と森和茂理事事務局長が出席し、同協会が取り組む社会的課題解決への貢献活動に対する思いや今後の展望を語った。会場では、110年の歩みをまとめた6枚のパネルもお披露目された。

 冒頭、稲垣協会長が110周年を迎えての所感を語った。100周年を迎えた2008年からの10年間で記憶に残っているのは東日本大震災だとした上で、その後も多くの自然災害が発生していることに加えて、日本は人口減少や高齢化のさらなる進行といった課題にも直面していると述べ、「社会情勢の変化を踏まえた確かな安心を提供していくというわれわれの役割を今後もしっかりと発揮していかなくてはいけないと感じている」と真摯(しんし)に語った。
 記者からの質問に答える形でこれまでの10年間の同協会の取り組みを振り返った稲垣協会長は、消費者とのコミュニケーション強化に向けた「せいほ意見交換会」の新設や東日本大震災への対応、最近ではさまざまな社会課題解決への貢献に向けた取り組みを進めてきていると説明。高齢化を踏まえたマイナンバー制度の民間利活用に向けた提言や、地方自治体が実施するウオーキング活動への協賛など健康増進につながる取り組みへの支援、保育園の整備による女性活躍推進への貢献に向けた取り組みなどを挙げ、「協会と会員各社が協力し、その時々の社会課題の解決に貢献していくことで、お客さま、社会、生保業界が共通価値を創造していけるよう主体的に行動していくことが、これまでもこれからも発揮すべき役割だと考えている」と強調した。
 11年に発生した東日本大震災では、業界全体として99.9%の顧客の安否を確認するとともに、震災からの2年間で2万1027件、1599億円の保険金等の支払いを行い、被災した人たちの生活支援につなげることができたと語り、「保険がお役に立つのはリスクが発生した時。被災された方の傷ついた心を癒すのは人との接点に他ならない。保険という商品を通じてわれわれはこの接点を担っており、こうした役割を引き続きしっかりと発揮していくことで、お客さまにより大きな安心を感じていただけるよう取り組んでいきたい」とした。
 また、これまで生保業界を支えてきた先人たちは、顧客との信頼関係の構築と、社会的課題への貢献に向けた挑戦を行ってきたと述懐。協会創立後間もない時期に発生した関東大震災への対応において緊急協議会を開催し、保険金の速やかな支払いや保険料の払込猶予期間の延長を決定していることに触れ、「この取り扱いは今もなお災害発生時の対応として根付いている。この10年においても女性活躍推進や健康増進への貢献に向けた取り組みなど、その時々の社会課題と真っすぐに向き合い、解決に向けた対応を業界を挙げて進めてきた。これからも生保業界はお客さまとの信頼関係の構築と時々の社会課題解決への貢献へ向けて挑戦し続ける。次の世代の方々にもこの思いを引き継いでいってもらいたい」と語った。
 今後については、人口減少や少子高齢化、人生100年時代といわれる長寿化の進行に伴う社会課題の解決が業界に課された課題だと感じていると述べ、その中で、足元で飛躍的に進歩を遂げているテクノロジーの活用をどう進めていくかが極めて重要な要素になると指摘。
 働き方や生き方の変化に伴って多くの人が抱えている将来に対する漠然とした不安を解消する商品・サービスの提供を進めていくことが引き続き生保業界に求められるとの考えを明らかにした。
 今後はさまざまなデータを活用することでリスクの判定がよりパーソナライズ化されていくとの想定の下、将来的には食生活や1日の歩数など、特定の生活習慣の人々がリスクをシェアし合うなど、これまでにない保険商品の開発も不可能ではなくなるのではないかと期待を示し、「長寿化が進む中で、健康で自分らしく生きていける期間を極限まで延ばしていくために、われわれの商品やサービスがどのように貢献できるかを追求していくことが課題になる。今後も、就任時に掲げたビジョン“Create a Brighter Future~安心と希望に満ちた未来を切り開く~”をお客さまと共に業界一丸となって目指してまいりたい」と決意を新たにした。