2018.10.22 かんぽ生命 先進医療も 来年4月引受開始予定 引受基準緩和で認可申請
かんぽ生命は10月16日、郵政民営化法(平成17年法律第97号)第138条第1項の規定に基づき、金融庁長官および総務大臣に対し、新たな保険の引き受けを内容とする新規業務について、認可申請を行った。認可を申請したのは、引受基準を緩和し、保障内容を変更した普通終身保険、特別終身保険、普通養老保険の引き受けと、引受基準を緩和し、保障内容等を変更した総合医療特約の引き受け、および先進医療特約の引き受けについて。同社は、これらの新規業務は利用者利便の向上と同社の収益確保による経営安定化の観点から必要であるとしており、早期の認可を希望している。新たな保険の引き受けについては、認可取得を前提として、2019年4月以降の開始を予定している。
同社は、①利用者利便の向上②収益の確保による経営の安定化を図るため、認可申請する。①では、同社の終身保険、養老保険はユニバーサルサービス対象商品であるものの、加入の意向があっても、病気で服薬中などの理由から加入できないことがあり、こうした顧客は入院等をする可能性が高く、医療保障の必要性も高いことから、終身保険、養老保険、疾病による入院等を保障する総合医療特約について引受基準を緩和し、その商品特性に応じて保障内容等を変更した商品を創設。健康上の理由から加入できなかった顧客にも保障を提供し、顧客の利便性を高めることができると考えている。
また、先進医療を受ける顧客の経済的負担の緩和に向け、先進医療にかかる技術料と同額を保障する先進医療特約を新たに創設。主に公的医療保険制度の給付対象部分を保障する総合医療特約と合わせて、低廉な保険料で先進医療特約を提供することで、先進医療にかかる技術料の負担に備えたいとの顧客ニーズに対応し、顧客の利便性を高めることにしている。
②については、新契約実績の厳しい状況が継続する中で、さらに顧客ニーズに応えた商品を提供することにより、新契約件数を増加させ、収益の確保による経営の安定化を図ることが、企業価値向上のために必要としている。
認可を申請した新たな保険の概要は次の通り。
(1)引受基準を緩和し、保障内容を変更した普通終身保険、特別終身保険及び普通養老保険
以下の①の保険商品の種類について、引受基準を緩和し、②の保障内容の変更を行った保険を引き受けることとする。なお、この保険には③の特約を付加することができる。
①対象とする保険商品の種類
普通終身保険(定額型に限り、低解約返戻金型を含む。以下同じ)、特別終身保険(低解約返戻金型を含む。以下同じ)及び普通養老保険
②保障内容の変更
ア 重度障害による保険金及び重度障害による保険料の払込免除は取り扱わない。
イ 死亡保険金の支払額は、契約日から起算して1年以内に死亡した場合、基準保険金額の50%に相当する金額とする。
③付加できる特約
引受基準を緩和し、保障内容等を変更した総合医療特約((2)の特約)
(2)引受基準を緩和し、保障内容等を変更した総合医療特約
以下の①の特約の種類について、引受基準を緩和し、②の保障内容の変更を行い、③の範囲で保険金額の設定ができる特約を引き受けることとする。
①対象とする特約の種類
無配当総合医療特約(解約返戻金低減型)、無配当総合医療特約(無解約返戻金型)及び無配当総合医療特約
②保障内容の変更
ア 入院保険金、入院初期保険金、手術保険金、放射線治療保険金の支払額は、契約日から起算して1年以内に支払事由が発生した場合、特約基準保険金額を50%に削減して計算した金額とする。
イ 入院中に受けた手術の手術保険金の支払額は、入院保険金日額の10倍とする。
③保険金額設定の範囲
ア 引受基準緩和型無配当総合医療特約(解約返戻金低減型)及び引受基準緩和型無配当総合医療特約(無解約返戻金型)の基本契約の保険金額に対する特約の保険金額の割合
(ア)この特約を付加する基本契約の加入年齢及び保険料払込済年齢が、5倍型終身保険に加入できる加入年齢及び保険料払込済年齢の範囲内であるときは、この特約の保険金額はその基本契約の保険金額の5倍以下とする。
(イ)この特約を付加する基本契約の加入年齢及び保険料払込済年齢が、2倍型終身保険に加入できる加入年齢及び保険料払込済年齢の範囲内であるとき(前(ア)の場合を除く)は、この特約の保険金額はその基本契約の保険金額の2倍以下とする。
(ウ)前(ア)(イ)のいずれにも該当しないときは、この特約の保険金額はこの特約を付加する基本契約の保険金額以下とする。
イ 引受基準緩和型無配当総合医療特約の基本契約の保険金額に対する特約の保険金額の割合
(ア)この特約を付加する基本契約の加入年齢及び保険期間の終期が、5倍型特別養老保険に加入できる加入年齢及び保険期間の終期の範囲内であるときは、この特約の保険金額はその基本契約の保険金額の5倍以下とする。
(イ)この特約を付加する基本契約の加入年齢及び保険期間の終期が、2倍型特別養老保険に加入できる加入年齢及び保険期間の終期の範囲内であるとき(前(ア)の場合を除く)は、この特約の保険金額はその基本契約の保険金額の2倍以下とする。
(ウ)前(ア)(イ)のいずれにも該当しないときは、この特約の保険金額はこの特約を付加する基本契約の保険金額以下とする。
(3)先進医療特約
①特約の種類
無配当先進医療特約(無解約返戻金型)
②保障内容
先進医療保険金
被保険者が公的医療保険制度における先進医療による療養を受けたときに、先進医療にかかる技術料と同額を支払う。なお、先進医療にかかる技術料が1万円未満の場合は1万円を支払う。
③保険期間
10年とする。満了時に自動更新し、保険期間の上限は被保険者の年齢が95歳に達する日の前日までとする。
④保険料払込期間
全保険期間とする。
⑤保険金額
特約保険金額は、一律300万円(支払限度額)とする。
⑥危険選択の方法
被保険者の健康状態の告知を要する。
⑦保険料払込方法
ア 保険料払込方法(回数)
分割払とする。
イ 先進医療特約のみ払い込むべき特約保険料があるときは、保険料払込期間の終期までの期間分の特約保険料について、一括して前納することを要する。
⑧返戻金・配当金
返戻金・配当金はない。
⑨保険料
性・年齢別の保険料設定とする