2018.07.03 MS&ADグループ テレマ活用の自動車保険サービス拡充、救急車出動依頼を代行
昨今、高齢者が関わる自動車事故が増える中、MS&ADインシュアランスグループでは、テレマティクス技術を活用して、高齢者の安全運転を支援する商品・サービスの開発に注力している。あいおいニッセイ同和損保が販売する「タフ・見守るクルマの保険」「タフ・つながるクルマの保険」、三井住友海上が販売する自動車保険「GK 見守るクルマの保険」の中の「事故時の緊急自動通報サービス」にこのほど、「救急車出動依頼対応」を加えた。事故に遭った運転者が自力で119番通報できない場合に、コールセンターのオペレーターが事故現場を管轄する消防本部に救急車の出動を依頼するもので、時に1分1秒を争うことがある事故発生時でのより迅速なサポートを可能にする。
「事故時の緊急自動通報サービス」では、両社がコールセンター業務を委託するグループ企業㈱安心ダイヤルの専任オペレーターが、事故直後の初期対応に必要なアドバイスや車両のレッカーけん引・搬送等の手配など、事故で不安を抱える顧客を迅速、的確にサポートする。あいおいニッセイ同和損保の英国子会社が買収した英国最大のテレマティクス自動車保険会社「Box Innovation Group社」のノウハウを活用した。
今回、新たに加えられた救急車出動依頼対応は、安否確認コールで顧客が自力で119番通報できないことが分かった場合に、オペレーターが顧客に代わって事故発生現場を管轄する消防本部の指令センターに救急車の出動を依頼するサービス。全国の各消防本部の協力により、安心ダイヤルのコールセンターから事故発生現場を管轄する消防本部の指令センターに直接連絡する体制を構築して初めて実現できた。
同サービスを開始するに当たっては、警備業法に基づき警備業の認定を受け、救急車の出動依頼を行うオペレーターが警備業法に定められた教育および研修を受講する必要があった。安心ダイヤル社では、専任オペレーターに定められた教育や研修を受講させて人命救助に関する警備業としての認定を取得することで、救急車出動依頼対応を円滑に運営できる体制を整備した。
「タフ・見守るクルマの保険」「GK 見守るクルマの保険」は、「高齢者の安全運転をサポートし、運転状況を見守る」といった新たなコンセプトの自動車保険として今年1月に発売。GPS等を活用して急加減速や事故多発地点への接近、高速道路の逆走などに対して注意喚起する「安全運転支援アラート」、専用車載器が大きな衝撃を検知すると、顧客のスマートフォンに安否確認のための電話連絡を行う「事故緊急自動通報サービス」などを提供している。また、あらかじめ登録した家族などのスマートフォンやパソコンに、ドライバーの運転診断レポートが毎月届くので、運転状況を確認することができる。4月にあいおいニッセイ同和損保が発売した国内初の運転挙動反映型テレマティクス自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」は、安全運転を楽しみながら保険料の割引にもつながる商品で、同様に事故緊急自動通報サービスが付帯されている。
今後については、ビッグデータに基づくテレマティクス技術をより一層活用することで、高齢者の安全運転へのサポートをさらに充実させていく考えだ。両社では「お客さまがどういう場所で、どういう走行条件で、どういう運転操作をしているときに事故が発生しているかなどのデータをより多く集めて分析し、アラート機能の高度化などにつなげることで、お客さまの事故の低減に貢献していきたい」としている。