2018.07.02 損保協会発表 17年度決算概況、正味収保 0.9%増加、火災と自動車で増収確保

損保協会は6月27日、加盟26社の2017年度決算概況を発表した。それによると、正味収入保険料は、火災保険や自動車保険などの増収により、前年度比0.9%増の8兆3806億円となった。正味支払保険金は、16年度の熊本地震による地震保険の支払いの反動減等があったことから、全種目合計では同1.9%減少して4兆7023億円。当期純利益は、特別利益の増加などにより、同10.4%増益の6783億円となった。

 保険引受の概況では、正味収入保険料は、火災保険が同126億円、自動車保険が同411億円増収したことなどから、8兆3806億円と前年実績を上回った。
 正味支払保険金は、国内自然災害による地震保険以外の火災保険の支払い増加や自動車保険の支払い増加があった一方で、16年度の熊本地震による地震保険の支払いの反動減もあり、全種目合計では同1.9%減少して4兆7023億円となった。
 損害率は、正味収入保険料の増加と正味支払保険金および損害調査費の減少により、同1.8ポイント低下して61.5%となった。
 保険引受に係る営業費及び一般管理費は、同1.7%増の1兆2807億円。諸手数料及び集金費は、同2.2%増の1兆4544億円だった。これらの増加により、事業費率は同0.3ポイント上昇して32.6%となった。
 損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、同1.5ポイント低下して94.1%となった。
 以上の増減益要因の他、昨年8月から9月にかけて北米で発生したハリケーン等の自然災害に係る支払備金繰入額の増加や地震保険の保険金支払いの減少に伴う責任準備金戻入額の減少などの影響により、保険引受利益は、同17.7%減少して2798億円となった。
 資産運用収益は、有価証券売却益などの増加などにより、同13.8%増益の7543億円となった。資産運用費用は、有価証券評価損の増加などにより、同60.9%増加して1532億円となった。資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、同5.8%増益の6010億円となった。
 経常利益は、保険引受利益の減益により、同3.7%減益の8122億円となった。
 経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、特別利益の増加などにより、同10.4%増益の6783億円となった。
 総資産は、前年度末に比べ1.8%増の32兆3144億円となった。
 ソルベンシー・マージン比率は、協会加盟会社全社とも法律で求める水準を超えており、経営の健全性について問題ない水準となっているとしている。