2018.06.18 メットライフ生命 経営者向け新商品、高返戻率で勇退後備え

メットライフ生命は6月2日から経営者向けの新商品「介護定期保険(米ドル建)」の販売を開始した。同商品は、死亡・高度障害や介護に対応する大型保障による「在任中の安定した経営の継続」、解約返戻率の高い期間が長く継続することで、解約返戻金を生存退職慰労金として活用する「勇退後の備え」への万全な対応を可能にする。また、介護を含めた万一の際の保険金や解約返戻金を世界の基軸通貨のドルで準備することで、財務健全性の維持や通貨分散による中長期的な会社の事業継承のための資産確保などに有効な手段となる。発売に先立ち6月1日、東京都千代田区の同社本社内で説明会を開催した。

 同商品は、死亡・介護・高度障害のいずれかに該当すると、保険金が支払われるというシンプルな保障内容で、介護保険金に関しては、要介護2以上に該当したとき、または、所定の要介護状態が180日継続したときが該当となる。所定の身体障害状態による保険料払込免除も付加。
 解約返戻金は、返戻率が高い期間が長く継続するため、役員退職慰労金の財源として活用でき、急な資金ニーズには契約者貸付を利用することができる。契約年齢は25~66歳で、保険期間・保険料払込期間は70~85歳。保険金額は、最低10万米ドルで、最高7億円。払済保険へ変更後の保険種目は、介護終身保険(米ドル建)となる。保険金額10万米ドル、契約年齢50歳(77歳満了)で年払保険料(口座振替料率)は、男性4341.9米ドル、女性3581.3米ドル。
 同社A&Hプロダクト開発マネジメントチームディレクターでチーム長の松田陸男氏は、65歳以上の要介護(要支援)認定者数は約5.6人に1人で今後も増加傾向であることや、社長の平均年齢は61歳を超え、介護リスクが上がっていることの他、「当社の顧客受容度調査において、外貨向けの保険商品のニーズが高かった」と説明した。
 一方、同社執行役常務チーフプロダクト・バリューマネジメントオフィサーの橋口隆氏は、個人向けのマーケット戦略について、①円から外貨へのシフト②第三分野商品の差別化③リタイアメント商品の推進―の三つが柱だと説明。販売強化のために今後、成長が期待できる法人マーケットで新商品の販売拡充を目指す考えを示した。
 さらに、第三分野や外貨といった成長が期待できる分野に、競争力のある商品を投入し続けてきた一方で、法人マーケット分野に対して、顧客や営業側から、競争力のある商品を求められていたことから、強みを生かした競争力のある新商品を第三分野の法人マーケットに投入したと述べた。
 同氏は、「外貨によるリスク分散が一般的になりつつある時代背景に合わせ、同商品の販売を通じて死亡・高度障害および介護に対する保障を外貨建てで提供することで、会社経営者とその家族や従業員の将来にわたる不安や負担を軽減していきたい」としている。