2017.12.21 三井住友海上 代理店の中小企業提案支援ツール開発、募集スタイル変革へ
三井住友海上は11月から、代理店が中小企業にリスクマネジメントを通じた各種提案を行う際の支援ツール「RMモバイル」の提供を開始した。タブレット端末やノートPCの画面上で、法人を取り巻くリスクや対応する保険商品をビジュアルを使って紹介し、ニーズ喚起を図っていく。顧客との接点強化を促すとともに、携帯用端末を活用した代理店募集スタイルの変革に向けて、普及を積極的に推進する考えだ。
RMモバイルは、同社とグループ会社のインターリスク総研で共同開発したツールで、中小企業を取り巻くさまざまなリスクや対応策を分かりやすく紹介する。同社グループで提供するリスクマネジメントに関するサービスメニューをトップ画面にまとめており、代理店は、「事故・関連情報」「RMメニュー」「商品・サービス」欄から、顧客に伝えたい情報をすぐに表示できる。
中心となるのはRMメニューで、リスクを頻度と規模による分布図で「見える化」し、リスクの全体像や対策による効果、対応する保険商品などを示す。さらに、同社で以前から提供している「かんたんリスクチェック」「業種別リスクマップ」に加え、「RM付保マップ」などを用いて顧客のリスク対応状況を診断し、ニーズ喚起を行いやすくする。満期更改時や新規提案時などの機会に顧客とのコミュニケーションが容易に図れるように、5~10分程度で一通り説明できるよう設計されており、関心を持った顧客には、次回の訪問で具体的な提案を行うことを想定している。
損保業界では、主力商品である自動車保険を取り巻く環境が大きな変化を迎え、マーケットの先行きが不透明となる一方、新種保険を中心に中小企業マーケットを開拓し切れていないといった課題がある。こうした背景を受けて、三井住友海上とインターリスク総研は1年ほど前から、代理店が中小企業に提案しやすくなる営業ツールの構想を練り始めた。携帯端末を使ったアイデアが具体化する中で、顧客へのリスクマネジメントサービスを積極的に行うプロ代理店の意見をヒアリングするとともに、一部の代理店を中心にテストマーケティングを行い、要望が多かった点を改善した上で、今回のリリースとなった。今後は、活用した代理店からのフィードバックを基にさらなる改善を図るとともに、機能の拡充などを検討していく。
同ツールの開発に携わった三井住友海上営業企画部の菅匡彦部長は「保険を取り巻く環境が年々変化していく中で、現場サイドの声を聞きながら、ツールをさらに進化させていきたい」としている。また、インターリスク総研営業推進部の府川均営業企画グループ長は「RMモバイルは、代理店のRM提案力強化を推し進めるツールであり、できるだけ多くの代理店に活用してもらえればと思う」として、今後の普及に期待を寄せている。