2017.07.31 アフラック/日立製作所 がん早期治療目指し協創、新しい識別技術の活用で

 アフラックは、日立製作所とがんの早期発見・早期治療社会の構築に向けた協創を開始する。日本最大のがん保険契約件数を有するアフラックのがんに関する豊富なデータや知見を活用するとともに、日立が持つ尿中代謝物によるがんの識別技術の活用方法や、新しい保険商品・サービス創出の可能性を検討することで、より健康で豊かな社会への貢献を目指す。

 具体的な取り組みとしては、①尿中代謝物によるがんの識別技術の向上に向けた検討②がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けたがんの識別技術の活用方法を検討③新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討―の三つ。
 ①としては、日立は、新たな解析技術を導入するなど解析フローの安定性や解析技術の向上に向けて、研究開発を強化しており、今後、医療機関との共同研究の下、まずは乳がんを対象として、尿によるがんの識別技術の向上に向けた研究開発を進める。今回の協創により、識別結果の可視化方法や、乳がんの他、今後研究するがんの種類の選定などを共に検討する。
 ②では、がんの早期発見・早期治療社会の実現を目指し、尿中代謝物解析によるがんの識別技術の最適な活用方法を検討。例えば、がん検診の受診を促すための、がんの識別技術を活用したプレスクリーニング検査方法やその最適な提供スキーム、プレスクリーニング検査後のサポート内容などを検討する。なお、提供スキームの検討には、日立独自のサービスデザイン手法である「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」(注)を活用する。
 また③では、将来的に、がん検診の受診を促すためのプレスクリーニング検査の普及とプレスクリーニング検査後の健診センターなどへの連携、医療機関でのがん治療に応じた保険金の給付、治療後の定期的なプレスクリーニング検査の提供など、がんの早期発見から治療費の保障、治療後のアフターケアまでのトータルサポートを実現する新しい保険商品・サービスの創出に向け、検討を進めていく。
 アフラックはこれまで、日本初のがん保険を発売した保険会社として、多くのがんと闘病する人たちを応援してきた。小児がんなどの難病と闘う子どもたちとその家族を支えるために建てられた「アフラックペアレンツハウス」や、がんの正しい理解の促進とがん検診の受診率向上を目的とした「がんに関する啓発活動」を全国の自治体と連携して行うなど、さまざまなサポートを展開してきた。一方、日立は、尿中代謝物の解析によりがんを早期発見する技術の研究にいち早く取り組み、誰もが簡便にがん検査を受けることができる技術の確立を目指している。
 両社は、今回の協創を通して、人々の健康意識を高め医療機関でのがん検診の受診率向上を目指すとしている。
 (注)社会イノベーション事業の加速に向けて、顧客の課題を共に検討する顧客協創方法論。