2017.03.14 楽天生命「スーパー2000」好調、ネット契約、健康祝い金も好評

 楽天生命の総合保障保険「スーパー2000」が快調だ。「全年齢、男女共に2000円の保険料」という点から命名された同商品は同社内で1番の人気商品になっており、課題だった若年層や女性の取り込みに成功。同社の好調な決算(第3四半期累計の新契約高は682億円で、前年同期比100.3%)をけん引している。1年間入院しなかった場合は「健康祝い金」として最大6000円が現金かポイント(注1)で受け取れる仕組みも好評で、同社のインターネットチャネルでは同商品が最も売れている。昨秋に開始した銀行との提携も、間もなく大幅に拡大する予定だ。
 2013年に楽天グループ入りした同社は、社名変更と同時にインターネットチャネルを本格化。それまでの「男性で高めの年代(50歳代)が中心」といった顧客層から若年層の開拓を模索。楽天会員へのアンケートおよびインタビューの回答や、「PCよりもスマホで買う」という最近の動きに合わせて、同商品はスマホで見やすく・分かりやすく・買いやすい商品とした。その結果、現在、スマホからの契約が65%を占めており、女性の占率は半数に迫る。契約年齢層のメーンは30歳代。
 商品内容は、「20~39歳」「40~49歳」「50~59歳」の3パターン(契約年齢)あり、「20~39歳」の場合は、疾病・災害入院で1日6000円、けが入院後の通院で1日2000円、がん治療給付金20万円、死亡・高度障害保険金100万円、災害死亡・災害高度障害保険金200万円、健康祝い金男性6000円・女性5000円となっている。40歳代では入院・通院は同じ金額で、その他の金額が低くなる。保険期間は1年間、更新による保険料の変更はない。
 主な販売チャネルは①楽天経済圏の中でのプロモーション(楽天サイトでのバナー広告、会員向けのメールなど)②楽天グループ企業やインターネットでの保険比較系代理店―の二つで、申し込みは、PCやスマホのみでペーパーレス。楽天会員の場合は、申込時に会員IDを入れることで登録してある名前や住所などが自動表示されるので、入力の手間が軽減される。保険料支払いで口座振替を選択した場合は、本人確認手続きも不要だ(注2)。
 新開保彦取締役常務執行役員は「20歳代の保険の入り口として加入してもらえるよう、あえて死亡保障を低くした。結婚やその他のライフステージの変化時に、上乗せや別の保険を検討してもらえる。2口まで契約できるので、約2~3割の人が2口を選択している。健康祝い金を楽天スーパーポイントとして受け取れる仕組みも喜ばれている」と話す。
 商品開発のキーワードとした「若年」「スマホ」「ポイント」が生きており、昨秋に開始した東邦銀行との連携による販売も順調。間もなく複数の銀行が加わる予定だ。
 新開氏は「銀行は、課題の一つである『若年層の来店離れ』に対応できる商品として、接点強化の一歩にと注目している。保険料の引き落としをきっかけに、生活口座の利用につなげられる」と金融機関との連携も強化していく考えも明らかにしている。
 (注1)「直接支払いサービス」として、当該サービスの利用を希望する契約者に対し提供される。楽天生命は健康祝い金を楽天スーパーポイントプログラムの運営者である楽天株式会社に支払い、楽天株式会社は健康祝い金と等価の楽天スーパーポイント(1円=1ポイント換算)を契約者に付与する。
 (注2)「SMBCファイナンスサービス」の決済サービスに対応している金融機関の場合に限定。