2017.03.15 SOMPOHD、ジーズアカデミーTOKYOと講座開講

 SOMPOホールディングスはデータサイエンティストの養成を目的に、4月11日から社会人向けの「DATA SCIENCE BOOTCAMP」を開講する。デジタルハリウッドが運営するエンジニア・起業家養成校「ジーズアカデミーTOKYO」との共同プログラム。データサイエンティストの不足が叫ばれる中、同社では講座を通じ、即戦力となり得る人材の育成に取り組む。講義の他、実践データ分析、ビジネス提案までを行う約3カ月間のカリキュラムで、3月8日に講座開講の説明会を開催すると同時に、受講者の募集を始めた。
 同講座は、オープンイノベーション形式で広くデータサイエンスに興味のある起業志向のエンジニアを募集し、同社が抱えるビッグデータ活用に向けた課題の解決や新規事業を創出しようというもの。審査で選ばれた25人は、データ活用の事例やツール操作といった4週間の講義を受けた後、3週間ずつ、実践的なデータの分析とデータを活用したビジネスの創出に向けた提案を行う。同社は、商用車に取り付けたドライビングレコーダーとグループ社員3000人のバイタル・血糖値などのデータを提供する。最終プレゼンでの優秀者は、同社への正式採用もあるという。
 こうした取り組みは、保険業界のみならず、国内企業においても先進的なもの。同社は、2016年4月に東京と米国シリコンバレーにSOMPO Digital Labを設立。保険事業や介護事業などへのデジタル技術活用で、新たなサービスやビジネスモデル構築に積極的に取り組んでおり、金融機関におけるデジタル技術の活用でトップを目指したいとしている。
 8日にジーズアカデミーTOKYO(東京都港区)で行われた説明会で、SOMPOホールディングス執行役員グループCDOの楢﨑浩一氏は「保険の先に挑む真のサービス産業を目指している」と同社の方針を表明した。また、「保険業界にもデジタル破壊が来る。破壊される前に先駆者として変革を起こしたい」と、同講座での人材確保に意欲を見せた。同講座でメンターも務める同社デジタル戦略部チーフ・データサイエンティストの中林紀彦氏は、データを活用したサービスは未来の健康生活を支えることになるとし、収集したデータから発病を防ぐ提案の可能性を示唆。そのためにも世界的に不足しているデータサイエンティストの育成が重要であり、急務だとの見解を述べた。一方、ジーズアカデミーTOKYOの担当者は同校の実績を紹介し、講座の成功に自信を見せた。