2016.12.09 アクサ損保、「フリック見積」利用が拡大、自動車保険の好調に貢献

 アクサ損保が今年5月に提供を開始した「フリック見積(R)」の利用者が増えている。同社では、「初めて自動車保険に契約する6等級の人」「大手社などの従来型保険会社の契約を継続している人」をメーンターゲットとして同サービスを開始し、想定通り利用・契約が伸長。同社ウェブサイトやLINE上の公式アカウントから利用でき、すでに複数回バージョンアップを実施するなど、継続して利便性を向上させている。セールス&マーケティング本部CRM部の斎藤博隆部長は「1、2年の間にバイク保険やペット保険にも拡大したい」と話している。
 「フリック見積」トは、スマホ画面上に一問ずつ選択項目を表示させて、項目ごとのカードを左右にフリック、さらに上に向かってフリックする操作で選択したい項目のカードを選ぶというもの。
 具体的には、「車の使用目的」についての質問では、「日常レジャー」「通勤・通学」「業務」の選択肢を左右にフリックして選び、選んだカードを上にフリックすることで回答が終了。続く質問「年間走行距離」「主な運転者(記名被保険者)」「補償の対象となる運転者の範囲」「主な運転者の運転免許証の色」「主な運転者の性別」「主な運転者の生年月日」「主な運転者のお住いのエリア」などについて答えていくことで保険料の見積もりができる。さらに、幾つかのアンケートに「はい」「いいえ」で回答することで顧客ニーズに合わせた補償内容や特約が提案される「おすすめ機能」も搭載している。
 斎藤氏は「自動車保険は差別化しにくい。図書カードやアイス券の配布など各社がほぼ同様のキャンペーンを行っており、代理店の施策、会社ウェブサイトや比較見積もりサイトなどでも突出した施策は見られない。そこで当社では、『分かりやすさ』をお客さまにとっての価値と捉え、一つの形としてこのサービスにたどり着いた」と話す。
 当初2カ月間の「パン田くんのフリック講座」の動画配信キャンペーンに加えて、ネット上のバナー広告、LINEアカウントを通じて認知度を高めており、既契約者からの紹介も増えている。同社の既契約者の主軸は首都圏在住の30~50歳代で男性の比率が高いが、「フリック見積」の利用者は30~40歳代をメーンとして幅広い世代で多く活用されており、女性も多いという。
 同社の主軸商品である自動車保険の元受正味保険料は2013年度408億2400万円、14年度442億3500万円、15年度471億3300万円と右肩上がりが続いており、今年度上半期は249億6200万円で前年同期比5.1%増と好調を堅持している。
 斎藤氏は「ダイレクト保険の最大のベネフィットは自分で見積もりができる点。保険会社によって保険料が違うということを知らない人も多い。より賢い選択肢があることに気付かずに既存契約を継続している人にバリューフォーマネーを提供したい。コールセンターに問い合わせいただくお客さまに対してもしっかりと情報提供を行い、当社のファンを増やす取り組みを続けたい」としている。