2016.12.12 損保ジャパン日本興亜、ダイレクト計上申込書一次審査、自動化システム導入

 損保ジャパン日本興亜は12月12日から、ダイレクト計上した契約申込書の署名や押印、記載状況、添付書類の有無などについてスキャナを利用して自動的に確認する「一次審査自動化システム」を導入する。システムは、イメージ情報の処理に関するハード・ソフトウエアの開発などを行う㈱プリマジェストと共同開発した。事務部門の業務効率化で生み出した余力をサービス品質の向上などに振り向け、顧客からの評価を高める狙いがある。
 ダイレクト計上は、自動車、火災、個人賠責保険を中心に同社の契約の約8割を占める計上方式で、代理店システム経由で申込書の作成、不備の解消、ホストシステムへの送信までを行う。契約締結後、速やかに保険証券を届けることができる他、営業部門や保険金サービス部では、社内オンラインでの契約検索が容易になり、顧客サービスや事故対応品質の向上などにつながっている。
 従来、契約内容の適切性を確保する観点から、ダイレクト計上した契約申込書の署名・押印、記載状況、車検証など添付書類の有無といった確認(一次審査)をスタッフが目視で行っていたが、同システムの導入で、大量の申し込み関連書類を一度にスキャンして自動的にチェックすることができる。
 同システムで使われるプリマジェストの高度な画像認識技術は、多種多様な帳票や、同じ帳票でもプリンター機種で印刷内容に差が出る帳票を高い精度で自動認識する。また、処理量の増加に柔軟に応えられるように、同システムをクラウド上(Amazon Web Service)に構築していることから、全国の事務集中オフィスでの稼働が可能。均質な審査やチェック漏れの防止など審査精度の向上が期待できるのに加え、業務効率化によって一次審査にかかる業務時間の約4割の削減が見込まれる。
 同社では5月から、これまで全国の営業店で行っていたダイレクト計上などの事務処理を全国13カ所に設置した事務集中オフィスに集約し、計上業務の効率化を図っていたが、今回、さらなる効率化や事務品質の向上を目的に同システムを導入した。導入を担当した事務企画部設計第二グループでは「業務の効率化や品質の向上を通じて『お客さま評価日本一』につながる最高品質のサービス提供を目指してきたい」としている。