2016.12.02 住友生命 16年度上半期決算、新契約年換算保険料156%

 住友生命は11月24日の2016年度上半期業績発表で、新契約年換算保険料が前年同期比56.6%増加(1146億円)したと明らかにした。第三分野についても同9.9%増、保険料等収入も同12.4%増加した。また、営業職員チャネルの契約を年代別に見ると、若年層の新契約件数が同13.6%増加し、新契約の全体に占める割合も3割を超えた。基礎利益や利息及び配当金等収入は円高による外国債券利息の減少などで共に減少したものの、順ざやは確保した。
 新契約年換算保険料は、平準払いの個人年金保険の販売増加などを受け、前年同期比56.6%増の1146億円と拡大。15年9月に発売した就労不能保障「1UP」の効果もあり、第三分野も同9.9%増の205億円となった。20~30代の若年層の取り込みにも成功しており、営業職員チャネルの新契約状況を見ると、契約件数13万3000件(前年同期比13.6%増)、新契約件数に占める割合31.5%(前年同期25.8%)と上昇した。
 保有契約年換算保険料については、同じく平準払い個人年金保険の販売増加などを背景に前年度末比2.5%増加の2兆2475億円。第三分野も同1.1%増の5255億円となった。解約と失効年換算保険料については、前年同期比28.3%減の340億円と改善した。
 収支状況を見ると、保険料等収入は前年同期比12.4%増(1兆6641億円)となったものの、新契約に伴う初期費用などの増加や円高による外国債券利息の減少などにより基礎利益は同19.7%減少(1338億円)。利息及び配当金等収入も同様の要因で同2.3%減の2784億円となった。順ざや額は58億円減少し、39億円。
 内部留保は前年度末比1464億円を積み増し、1兆5747億円。ソルベンシーマージン比率は、その他有価証券評価差額金が減少したものの、内部留保の積み増しや劣後特約付社債の調達による財務基盤の強化で前年度末から10.8ポイント増加し846.2%と引き続き十分な水準を維持している。
 メディケア生命と米国のシメトラ社を合算した住友生命グループのEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)は、新契約の獲得などの成果があった一方、金利低下などの外的要因を反映し、前年度末比1462億円減少の2兆7903億円。
 営業職員のレベルアップを目的に展開している「四半期採用・育成運営」が着実に成果を挙げており、来年度は5年在籍率25%の目標をほぼ達成できる見込みだ。営業職員の高度なコンサルティングやサービスを土台に「1UP」の販売件数が累計40万件を突破。特に若年層マーケットの開拓に貢献した。また、今年7月には新たなマーケット開拓に向けた「健康増進型保険」の開発プロジェクトをスタートさせた他、17年4月には中小法人マーケットの深耕を目的に営業職員チャネルでエヌエヌ生命の法人向け事業保険商品を販売する予定だ。一方、金融機関等代理店では、若年層・資産形成層に向けた平準払い商品の販売に注力。過去最高の15万件となり、取扱金融機関も9月末で199機関と拡大した。来店型保険ショップ「ほけん百花」は9月末時点で73店舗。
 海外事業に関しては、今年2月に完全子会社化したシメトラ社がグループ業績に寄与。将来シナジーの発揮につなげる目的で資産運用、商品開発などの専門分野別会議を実施するなど、相互のノウハウを共有する。中国やベトナム、インドネシアの新興国市場においては、出資先3社がいずれも堅調に推移している。
 資産運用の高度化に向けた取り組みとして、4月からポートフォリオを二つに区分し、それぞれの運用目的に応じた収益向上とリスクコントロール強化を図り、資産運用の高度化を推進。10月には組織改編し、各ポートフォリオの運用を担うALM証券運用部とバランスファンド運用部を新設した。外部委託も活用し、投資対象の多様化や運用ノウハウを取り込むとともに、外部機関へのトレーニー派遣や中途採用などを通じて専門人材を育成しながらより強固な運用体制を構築していく方針だ。