2016.11.25 日本生命「グランエイジ」、7カ月で2万5000件、ニーズが高い長寿リスク対策

 日本生命が今年4月に販売を開始したニッセイ長寿生存保険(低解約払戻金型)「Gran Age(グランエイジ)」の販売が順調だ。10月末時点の販売件数は2万5000件超で、営業教育部の小松隆宏担当課長は「想定よりも好調なペース」と話しており、本紙の取材により女性の占率が高いなどの契約傾向も判明した。「人生100年時代」の長生きリスクへの対策ニーズが高いことも明確になった。
 同保険の契約の性別による占率は、女性が約60%。契約者の年齢は男女共に50~59歳がメーンで、女性の場合は平均寿命が男性よりも長いということもあり60~69歳のゾーンもボリュームがある。パンフレットに記載しているモデルプランでの年金年額は60万円だが、平均すると50~55万円くらい。また、毎月の保険料は4万5000円~5万円が中心だ。
 同商品は、「一生涯受け取れる『終身年金』を選択できる」「トンチン性(注)を高めるとともに解約払戻金を低く設定することで年金額(年金原資)を大きくしている」「契約できる年齢範囲が50~87歳で、無告知で加入可能」といった特徴がある。さらに、関連の取り組みとして昨年10月開始の、高齢の契約者・被保険者による手続きの問い合わせが困難になった場合、サポートを行う家族を事前に登録し、契約情報を知らせる「ご契約情報家族連絡サービス」や、今年4月開始の、被保険者が死亡した際に必要となる広範な手続きについて、死亡保険金受取人(または遺族)をサポートする「ニッセイご遺族あんしんサポート」があり、契約者・被保険者や家族の安心感を高めている。
 また、これまでにない全く新しいタイプの商品ということで、営業職員向けの教育や研修にも注力。2カ月に1度営業職員に配布する情報誌『NISSAY号』の新年度特集号(今年3月発行)では、同商品の開発コンセプト、商品の特徴、提案ポイント、アプローチの方法、事務手続きなどについて24ページにわたり詳細に解説した。拠点(営業部など)の管理者や営業職員向けには、同冊子と連動した映像教材を3本作成し、現地教育の推進を図った。また、発売直後には全国の成功事例を紹介するワンポイント番組を作成し、全営業職員で共有した。
 コンサルティングに当たっては、パンフレットを用いて説明していけばニーズ喚起できる仕組み。最初のページでは、50年の間に平均寿命が10歳以上伸びている(1964年は男性67.6歳/女性72.8歳が、2014年には80.5歳/86.8歳になっている)ことや、2050年には83.5歳/90.2歳になると見込まれることなどを説明。平均寿命以上の長生きも珍しくないと言及し、そこで必要となる「経済的な備え」のために開発した商品であることを訴求している。
 小松氏は「パンフレットさえあれば商品性を踏まえたニーズ喚起がすべて説明できる。営業職員チャネルに加えて、代理店や一部の保険ショップでも販売しており、同様の教育を行っている。今後さらに認知度を高めていきたい」と話している。同商品の発売は、同社が推進している「Gran Age(グランエイジ)プロジェクト」の一環でもあり、同プロジェクトでは、「人生100年時代」を生きる一人一人が「安心して・自分らしく」過ごすことができる社会づくりをサポートするため取り組みを展開している。
 (注)死亡した人の持ち分が生きている人に移ることで、より多くの給付が与えられる割合のこと。イタリア人のロレンツォ・トンティが考案した保険制度に由来する。