2016.11.17 第一生命HD、17年3月期第2四半期決算報告
第一生命ホールディングスは11月15日、東京都千代田区のDNタワー21で第一生命グループの2017年3月期第2四半期決算報告のプレス説明会を開いた。国内低金利環境を踏まえた一時払い円建て貯蓄性商品の販売抑制の影響などで連結経常収益が減少した。一方、海外生保事業の着実な成長が金融市場関係の減収要因をカバーし、連結純利益については通期予想に対して50%超を確保した。
決算の概況については、川島貴志専務が説明した。グループの連結経常収益は前年同期比13%減の3兆1901億円、連結経常利益は同9%減の2203億円、連結純利益は同22%減の1060億円とそれぞれ実績を落とした。また、保険料等収入は、前年同期比19%減の2兆2706億円だった。
グループでの新契約年換算保険料は前年同期比10.5%増(為替変動要因を除くと13.1%増)の1953億円、保有契約年換算保険料は3兆3722億円と前期末比で0.7%減少した。為替変動要因を除くと、同2.4%増とプラス成長を維持した。調整後の基礎利益については、第一生命の順ざやの減少などにより、前年同期の2780億円から2338億円に減った。
グループ各社については、第一生命の経常収益は前年同期比4%減の2兆277億円、保険料等収入は同7%減の1兆3142億円、経常利益は同1%減の1826億円といずれもほぼ横ばいだった。解約失効高は、前年同期比で12.4%改善、営業職員数は、減少した前年同期の4万2298人から反転し、4万4174人に増えた。また、一人当たりの新契約件数も同13.0件から13.7件に伸びた。
第一フロンティア生命は、円建て商品の販売停止や、不安定な金融市場の影響による外貨建て商品の販売減少を主因として、経常収益が前年同期の1兆406億円から39%減の6355億円になった。経常費用については、市場価格調整(MVA)に係る責任準備金が戻し入れから繰り入れに転じたことなどにより、同1兆82億円から37%減の6357億円。その結果、経常収支は2億円の損失となった。一方、保有契約高は前年同期の5兆4276億円から6兆2332億円と着実に増加した。
海外生保事業では、米プロテクティブ社は、今年1月にジェンワース社から買収した定期保険ブロックが当期から利益貢献したことなどにより、保険料等収入が26億9300万米ドルと好調に推移。豪TAL社は、昨年度下期に獲得した大型の団体保険契約の影響により、保険料等収入が前年同期比15%増の16億6200万豪ドル。また、純利益では、金利低下の影響が約900万豪ドル押し上げ、同40%増の7800万豪ドルになった。
川島専務は通期の連結業績予想について、第2四半期累計の業績がおおむね計画に沿って推移したものの、第一フロンティア生命の保険販売の進捗(しんちょく)や、円高の影響による有価証券からの利息配当金の減少などを踏まえ、経常収益と基礎利益を下方修正するとした。一方、経常利益と純利益については、堅調な海外生保事業などでカバーされる見通しから据え置くとし、「国内外の金融経済環境の変化によるグループ損益への影響は、今後もかなりのボラティリティーを伴うことから、引き続き慎重に見極めていきたい」との考えを示した。