2024.04.25 ライフネット生命 エーザイと共同開発 認知症保険「be」発売 ネット生保初のMCI一時金を提供

ライフネット生命とエーザイ㈱(東京都文京区、内藤晴夫代表執行役CEO)は、2022年8月に締結した認知症領域等での協業に向けた資本業務提携契約の具体的な取り組みの一つとして、認知症や軽度認知障害(MCI)の早期発見・早期治療をサポートする認知症保険「be」を共同で開発、4月1日から販売を開始した。

認知症の早期治療には、軽度認知障害(MCI)の状態で発見することが重要といわれている。MCIは、認知症と診断される一歩手前の状態で、認知機能が健康な状態と認知症の中間の状態だ。早期に発見し、適切な予防や治療を行うことで、現状が保たれたり回復したりする場合や、認知症への進行を遅らせられる場合がある。
MCIの治療には生活習慣の改善や運動などが効果的とされているが、一部のMCIおよび軽度の認知症について、2023年にアルツハイマー病によるMCIおよび軽度認知症の人を対象とする新たな治療薬が承認され、早期の治療として投薬治療も選択肢にできるようになった。投薬治療は健康保険が適用されるが、検査等も含めて一定の自己負担額が必要となるため、経済的な備えが重要となる。そこで、エーザイが長年にわたり築いてきた認知症領域における創薬活動や疾患啓発活動の経験知、ネットワークと、ライフネット生命のノウハウや技術等を活用し、「早期発見・早期治療」をコンセプトとした認知症保険を共同で開発した。
認知症保険「be」は、インターネットで保険申し込みができる認知症保険として初めて(3月8日現在、ライフネット生命調べ)、「軽度認知障害診断一時金」の保障を提供するほか、エーザイによる脳の健康度の維持向上・MCI/認知症の理解をサポートするサービスを提供することが特長。
保障内容は、「認知症診断一時金」と「軽度認知障害診断一時金」に分かれる。
「認知症診断一時金」は、「生まれてはじめて認知症と診断されたとき」、契約した100万円~300万円まで(50万円単位)の給付金額を支払う。支払限度は保険期間を通じて1回。認知症になると、治療費や介護費などさまざまな費用がかかる。使い道が自由な一時金を受け取ることで、お金に対する不安を軽減することができる。
「軽度認知障害診断一時金」は「生まれてはじめて軽度認知障害(MCI)と診断されたとき」、認知症診断一時金の保険金額の10%または20%(10万円から60万円)の給付金額を支払う。支払限度は保険期間を通じて1回。早期からの手厚い備えを可能とし、症状進行の予防や回復をサポートする。なお、認知症診断一時金の支払い対象になった時点で、軽度認知障害診断一時金を受け取っていない場合は、認知症診断一時金とあわせて軽度認知障害診断一時金を受け取ることができる。
契約年齢は40歳以上70歳以下で、保険期間・保険料払込期間は終身。責任開始日は、申し込み日からその日を含めて181日目となる。
この商品の特長である脳の健康度の維持向上・軽度認知障害(MCI)/認知症の理解をサポートするサービスとしては、エーザイが提供する脳の健康度(ブレインパフォーマンス)のセルフチェックツール「のうKNOW(R)」(非医療機器)を契約者向け付帯サービスとして、24年中に提供を開始する予定。同ツールは手持ちのパソコンやタブレット、スマートフォン上でトランプカードを使った四つのテストを行い、脳の反応速度、注意力、視覚学習および記憶力をチェックできる。疾病の予防や診断を目的としたものではなく、定期的にチェックすることで、顧客の脳の健康意識を高めることを目的としたサービス。
また、契約者に限らず、誰でも利用できるサービスとして「ブレナビ」を開始する。これは、ライフネット生命が運営するMCI/認知症関連の情報・コンテンツを集約・発信するLINE公式アカウントで、エーザイが提供する無料の脳トレゲーム「ブレインワークアウト」や楽しみながら脳を活性化するエクササイズ「ブレパサイズ」、もの忘れに関して相談ができる全国の医療機関検索が可能な「もの忘れ相談ナビ」など、脳に関する情報を幅広く紹介している。
保険料例(月額)は、認知症診断一時金額100万円、軽度認知障害診断一時金額20%(20万円)の場合、40歳男性1122円、同女性1276円、50歳男性1847円、同女性2066円、60歳男性3352円、同女性3649円、70歳男性6821円、同女性7297円。