2024.03.04 日本生命グループ 23年度第3四半期決算 保険料等収入39%増、通期8兆円超予想 グループ基礎利益は64%増4821億円

日本生命が2月16日に発表した2023年度第3四半期決算によると、グループの連結業績は、日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に保険料等収入が増収、連結保険料等収入は前年同期比39.5%増の6兆4331億円を示した。連結経常収益は、同23.8%増の8兆7038億円となる。同社は2月22日に通期連結業績予想の修正を発表し、昨年11月に連結保険料等収入(豪MLCを除くベース)の通期予想を約7兆円と見込んでいたものを、同ベースで8兆1000億円(+1兆1000億円、+15.2%)に修正した。「日本生命営業職員チャネルにおける終身保険の販売増等ならびにニッセイ・ウェルス生命の外貨建および円建一時払商品の販売増が主因」としている。

グループの基礎利益も新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に増益となり、前年同期比64.9%増の4821億円を示した。
グループの資産運用収益は前年同期比7.1%減の2兆836億円だった。経常費用は同21.1%増の8兆4123億円で、このうち保険金等支払金は同18.3%増の4兆8034億円、資産運用費用は同29.6%減の7761億円、事業費は同4.6%増の5913億円だった。これらの結果、グループの経常利益は同247.2%増の2914億円、これに特別損益を加減した四半期純剰余は同152.3%増の1915億円となった。
グループの総資産は、前年度末比6.8%増の93兆5468億円となった。責任準備金は同2.8%増の72兆1119億円だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、金利上昇に伴い前年度末の1072.4%から23.9ポイント低下し1048.5%となった。また、実質純資産は、国内株価上昇に伴い前年度末から7351億円増加して18兆458億円となった。
国内における保険料等収入は、金融機関窓販チャネルおよび営業職員チャネルの増加を主因に前年同期比40.8%増の6兆2362億円、うち個人保険・個人年金保険は同34.3%増の4兆2345億円。チャネル別では、営業職員チャネルが同20.9%増の2兆5132億円、代理店チャネルが同17.4%増の4652億円、金融機関窓販チャネルが同85.2%増の1兆2559億円となった。団体保険は同1.9%増の2129億円、団体年金保険は同6.1%減の7789億円。
国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が前年同期比35.7%増の3921億円、件数が同13.1%減の304万件、保障額等が同6.5%増の6兆3504億円と、一時払商品の販売増を主因に増加した。
チャネル別新契約年換算保険料では、営業職員チャネルは前年同期比13.9%増の1418億円。代理店チャネルは同10.5%増の598億円、金融機関窓販チャネルは同72.5%増の1897億円となった。
国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比2.5%増の4兆7112億円、件数が同0.2%増の3844万件、保障額等が同1.2%減の169兆2708億円となった。
個社の業績では、日本生命の保険料等収入は、営業職員チャネルの円建終身保険の販売増を主因に前年同期比15.9%増の3兆8577億円を計上。基礎利益はヘッジコストの増加等により利差益が減少となった一方、新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に増益となり同40.9%増の4563億円。個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は同13.0%増の1866億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%減の3兆7389億円。
大樹生命の保険料等収入は、外貨建一時払商品の販売増および再保険収入増加を主因に増収し前年同期比7.8%増の7278億円。基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払減により危険差益が増加した一方、ヘッジコストの増加による利差損の拡大等により減益となり同47.6%減の66億円となった。新契約年換算保険料は同18.8%増の317億円、保有契約年換算保険料は前年度末比1.8%増の5156億円。
ニッセイ・ウェルス生命の保険料等収入は、外貨建・円建一時払商品の販売増および再保険収入増加を主因に増収し前年同期比296.1%増の1兆6236億円。基礎利益は、標準責任準備金の積立負担減少による危険差益の増加により増益となり248億円(前年同期実績は▲293億円)となった。新契約年換算保険料は同84.1%増の1648億円、保有契約年換算保険料は前年度末比32.2%増の4252億円。
はなさく生命の保険料等収入は医療保険等の販売増を主因に増収し前年同期比70.7%増の269億円。基礎利益は、事業拡大による事業費等の支出増の一方、新型コロナウイルス感染症関連の支払減による危険差益の増加を主因に増益の▲140億円(前年同期実績は▲176億円)となった。新契約年換算保険料は同16.7%増の88億円、保有契約年換算保険料は前年度末比28.6%増の313億円。
海外保険事業で、豪MLCの収入保険料は保険料の引き上げを主因に前年同期比1.8%増の13億9700万豪ドル。基礎利益は団体保険領域における収支改善等により同5455.4%増の7300万豪ドルとなっている。