2024.02.29 SOMPOHD 23年度第3四半期決算 修正連結利益190%増2426億円 海外利益拡大、通年では過去最高の1631億円に

 SOMPOホールディングスが2月14日に発表した2023年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比6.0%増の3兆8485億円となった。このうち正味収入保険料は同1.3%減、391億円減収の2兆9569億円を計上した。生命保険料は同1.6%減の2317億円。連結経常利益は同4715億円増益の4324億円(前年同期実績は▲391億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同3701億円増益の3230億円(同▲471億円)で進捗率は99%。修正連結利益は同190.7%(1591億円)増の2426億円で、通期予想の2800億円に対する進捗率は86%。グループの通期予想には修正はない。

 SOMPOグループの連結純利益3230億円の内訳は、損保ジャパンが前年同期比1177億円増の1516億円、海外グループ会社が同1768億円増の1337億円、SOMPOひまわり生命が同162億円増の115億円、SOMPOケアが同11億円増の51億円、その他・連結調整等が同580億円増の210億円。
修正連結利益2426億円の内訳は、国内損保事業が前年同期比542億円増の750億円、海外保険事業が同809億円増の1286億円、国内生保事業が同210億円増の299億円、介護・シニア事業が同13億円増の56億円、デジタル事業が同15億円増の33億円となっている。
修正連結利益の高い進捗率には、海外保険の保険引受・資産運用両面での利益拡大、国内生損保の前期コロナ支払等の剥落が寄与している。
国内損保事業については、自動車保険の事故率は対前年で3.6%増加したものの12月単月では2.4%減と落ち着きを見せており、修理費単価は同5.3%増で、通期予想の5.0%の線で進捗している。自然災害は予算枠内で順調に推移しており、大口事故は現時点で期間進捗を下回る水準で推移しているという。
海外事業については、23年度の修正利益は過去最高益の1631億円、対前年で700億円程度の増益を達成する見込みとのこと。ドルベースの修正利益は11億5000万ドルと予想を3900万ドル(対前年68%増)上回る水準で着地する見込みで、当期に備金を強化し次年度以降の利益安定性向上を図るとしている。
損保ジャパン単体の業績では、保険引受利益は前年同期比1234億円増益の846億円となった。前年同期の保険引受利益▲388億円からの増減要因は、国内自然災害を除く影響が+485億円(うちコロナ影響の剥落が+161億円、大口事故影響減が+154億円)、国内自然災害影響が+150億円、異常危険準備金等(異常危険準備金、危険準備金、自然災害責任準備金)が自動車支払保険金増加に伴う取崩しの増加で+599億円。保険引受利益から異常危険準備金等に係る影響を除いたコア保険引受利益は前年同期比635億円増益の217億円だった。国内自然災害の影響は▲850億円で、それを除くと1067億円となる。
正味収入保険料は、前年同期比474億円減(2.8%減)の1兆6468億円。前年度の火災保険駆け込み影響を除けばおおむね前年度と同水準で、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は同393億円減の1兆4979億円。収益性を踏まえた火災保険の一部引受厳格化の影響を新種保険の増収でオフセットした。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、自然災害影響(▲1.2ポイント)、コロナ関連保険金の剥落(▲1.1ポイント)を受けて、前年同期比1.8ポイント低下して65.9%。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同3.9ポイント上昇の65.2%。
正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は火災保険の商品改定に伴う代理店手数料率の低下を主因に前年同期比0.5ポイント低下し33.4%、社費率も0.2ポイント低下し12.6%。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同2.3ポイント低下し99.3%で、同(W/P、除く自賠責・家計地震)は同3.3ポイント上昇し98.6%となった。
資産運用損益は、政策株式売却益の増加を主因に前年同期比281億円増の1176億円。
経常利益は同1489億円増益の1883億円で、当期純利益は同1177億円増益の1516億円となった。修正利益は同550億円増益の762億円。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命の新契約年換算保険料は前年同期比1.4%減の245億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)はインシュアヘルス(R)のがん保険を中心に増加が継続し前年度末比1.1%増の3894億円だった。保険料等収入は前年同期比0.2%減の3192億円。責任準備金繰入等は同2.9%減の1929億円、保険金等支払は同29.4%減の659億円、事業費は同4.2%減の688億円。
資産運用損益は同17.4%減の369億円で、基礎利益は同344億円増益の262億円となった。経常利益(連結様式とは異なる)は同233億円増益の205億円で、当期純利益は同162億円増益の115億円。修正利益は同210億円増益(236.6%増)の299億円。
海外保険事業では、自然災害の減少などによる保険引受利益増に加え、利回り向上や運用資産増による資産運用利益増もあり、修正利益は大幅増益となる8億6000万ドル。海外計の保険引受利益は同2億4700万ドル(128.0%)増益の4億4000万ドルで、資産運用利益は運用資産額増加と再投資利回り上昇による利配収入増を主因に同3億5700万ドル増(103.3%増)の7億200万ドル、当期純利益は同11億9200万ドル増益の8億9300万ドルだった。
SIコマーシャルのグロス保険料は主力の北米とグローバルマーケットで好調に推移し、既経過保険料は1億500万ドルの増収。コンバインドレシオは自然災害発生損の改善により前年同期比2.4ポイント改善し92.4%。保険引受利益は同1億6730万ドル増の5億1810万ドル。SIコンシューマーの正味収入保険料は、同3700万ドル増収の7億8600万ドル。コンバインド・レシオは同19.5ポイント改善し94.7%。保険引受利益は同1億3200万ドル増益の4700万ドルだった。
介護・シニア事業は、修正利益はNDソフトウェア社統合効果等により前年同期比13億円増益の56億円。同統合効果に加え入居率の上昇により、売上高は同186億円増収の1307億円だった。