2023.12.12 住友生命グループ 23年度第2四半期(上半期)決算 基礎利益35%増1488億円に 保険料等収入通期見通しを2%増に上方修正

住友生命が11月21日に発表した2023年度第2四半期(上半期)決算によると、住友生命グループ(住友生命、メディケア生命、シメトラ)の保険料等収入は前年同期比2.4%減の1兆2800億円、基礎利益は同35.5%増の1488億円となった。新契約年換算保険料は同11.2%増の1829億円、保有契約年換算保険料は前年度末比4.4%増の3兆1751億円だった。23年度通期のグループ業績見通しについては、年初の予想を上方修正し、保険料等収入は前年比2.2%増の2兆6400億円程度、基礎利益は同3.3%増の2700億円程度に予想を引き上げた。

住友生命グループの経常収益は前年同期比6.1%減の2兆1632億円で、このうち保険料等収入は前記のとおり1兆2800億円、資産運用収益は同10.2%減の8390億円だった。経常費用は同5.0%減の2兆989億円で、このうち保険金等支払金は同1.6%増の1兆871億円だった。経常利益は同32.0%減の642億円で親会社に帰属する中間純剰余は同44.8%減の255億円だった。
グループの新契約年換算保険料のうち、国内事業は前年同期比8.2%減の622億円。そのうち住友生命は、転換契約を中心にVitalityの販売件数は増加したものの、新規契約の獲得が伸び悩んだほか、平準払貯蓄性商品の販売が減少したことなどにより、同11.3%減の520億円。メディケア生命は引き続き主力の医療保険が好調で、同11.6%増の101億円となった。海外事業(シメトラ)は、個人年金や企業保険の販売が増加したことに加え為替が円安に進んだことも寄与し、同24.8%増の1207億円を計上した。
グループの保有契約年換算保険料は、海外事業(シメトラ)を中心に保有契約が増加した結果、前年度末比4.4%の増収となった。国内事業は同0.7%増の2兆3610億円で、そのうち住友生命は同0.4%増の2兆2679億円、メディケア生命は同8.9%増の930億円となった。海外事業(シメトラ)は同16.8%増の8141億円となった。
グループの保険料等収入のうち、国内事業は前年同期比5.3%増の1兆1109億円。そのうち住友生命は円建の一時払終身保険および平準払貯蓄性商品の販売減少を主因に同6.3%減の1兆617億円、メディケア生命は、新契約増加に伴い保有契約が増加したことから同23.9%増の489億円となった。海外事業(シメトラ)は、保有契約の増加に加え為替が円安に進んだことも寄与し、同22.7%増の1691億円となった。
グループの基礎利益のうち、国内事業は前年同期比45.1%増の1201億円となった。そのうち住友生命は、為替ヘッジコストが増加したものの、新型コロナウイルス感染症に関連した入院給付金等の支払い減少もあり、同19.5%増の1302億円。メディケア生命は、新型コロナウイルス感染症に関連した入院給付金等の支払い減少等により赤字幅が改善し、▲100億円(前年同期実績は▲261億円)。海外事業は、シメトラで個人年金部門が好調だったほか、為替が円安に進んだことも寄与し、同10.4%増の338億円となった。
住友生命単体の利息及び配当金等収入は、円安による外国証券の利息や配当金の増加などにより、前年同期比7.3%(280億円)増の4119億円。資産運用収支は、利息及び配当金等収入は増加する一方、為替ヘッジコストの上昇による金融派生商品収益費用の悪化などにより、4195億円と同28.8%(1700億円)減少した。
連結ソルベンシー.マージン比率(SMR)は、適切なリスクコントロールの下での株式や外国債券の積増しに伴う資産運用リスクの増加等により、前年度末比で125.2ポイント低下して553.8%となったが、引き続き健全とされる200%を十分に上回っている。経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)は、SMRと同様の要因により同30ポイント低下し179%となったが、こちらもリスクに対し十分なリスクバッファーを有している。
住友生命グループのEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)は、新契約獲得や保有契約からの収益確保など保険事業のプラスの成果、および国内金利・国内株価上昇等によるプラスの影響があり、前年度末比3685億円増加して5兆1197億円となった。
23年度通期のグループ業績見通しについては、連結保険料等収入は、住友生命で円建平準払個人年金保険等の販売減少を想定する一方、メディケア生命やシメトラで保有契約の増加等を織り込み、前年比2.2%程度増収の2兆6400億円程度を見込む。期初時点の見通し(2兆5600億円程度、前年比0.9%減)から、為替の円安の影響等により上方修正した。
グループ基礎利益は、住友生命におけるヘッジコスト拡大に伴う資産運用収益の減少や、新中計に掲げる新規イノベーションの創出などに向けた積極投資の影響があるものの、国内事業における新型コロナウイルス感染症に対する支払いの影響緩和等により、前年比3.3%増益の2700億円程度を見込む。期初時点の見込み(2300億円程度、前年比12.0%減)から、為替の円安の影響等により上方修正した。