2023.12.08 日本生命グループ 23年度第2四半期(上半期)決算 基礎利益38%増3577億円に 通期予想を「減収・増益」から「増収・増益」に

日本生命が11月22日に発表した2023年度第2四半期(上半期)決算によると、グループの連結業績は増収・増益で、保険料等収入は日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に増収、基礎利益は新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に増益となった。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は前年同期比で増収、保有契約年換算保険料は前年度末比で増加した。23年度通期の業績見通しについては、保険料等収入は一時払商品の販売増を主因に増収、基礎利益は新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等を主因に増益を見込む。

日本生命グループの23年度上半期の連結経常収益は、前年同期比21.3%増の6兆565億円だった。連結保険料等収入は同38.4%増の4兆1089億円。
基礎利益は、前年同期比38.0%増の3577億円。日本生命では利差益の減少があったものの、危険差益の増加により721億円の増益、大樹生命は危険差益の増加があったものの、利差損の拡大により15億円の減益、ニッセイ・ウェルス生命は危険差益の増加により133億円の増益、はなさく生命は費差損が拡大した一方、危険差益の増加により0億円の増益、海外保険はMLCが85億円の増益だった。
グループの資産運用収益は前年同期比4.4%減の1兆8162億円だった。経常費用は同20.1%増の5兆9105億円で、このうち保険金等支払金は同12.7%増の3兆615億円、資産運用費用は同14.1%減の6513億円、事業費は同5.0%増の3938億円だった。これらの結果、経常利益は同104.6%増の1459億円、これに特別損益を加減した中間純剰余は同132.4%増の1015億円となった。
グループの総資産は、前年度末比5.4%増の92兆3679億円となった。責任準備金は同2.3%増の71兆7626億円だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、金利上昇に伴い前年度末から38.3ポイント低下し1034.9%となった。また、実質純資産も金利上昇の影響で、前年度末から5060億円減少して16兆8201億円となった。経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)は、23年9月末時点の概算で約240%。
国内計の保険料等収入は、営業職員チャネルの増加、および金融機関窓販チャネルの増加を主因に前年同期比39.5%増の3兆9803億円、うち個人保険・個人年金保険は同38.9%増の2兆7232億円。チャネル別では、営業職員チャネルが同22.6%増の1兆6838億円、代理店チャネルが同14.6%増の2792億円、金融機関窓販チャネルが同121.0%増の7601億円だった。団体保険は同2.1%増の1482億円、団体年金保険は同7.5%減の5660億円だった。
国内計の個人保険・個人年金保険における新契約は、年換算保険料が前年同期比42.9%増の2531億円、件数が同16.2%減の201万件、保障額等が同7.6%増の4兆239億円となった。チャネル別では、営業職員チャネルの新契約年換算保険料は前年同期比14.3%増の937億円。代理店チャネルは同12.9%増の381億円、金融機関窓販チャネルは同97.8%増の1207億円となった。
国内計の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比2.2%増の4兆6942億円、件数が同0.0%増の3836万件となった。
国内計の団体保険の保有契約(保障額等)は、前年度末比0.1%増の108兆7270億円。このうち日本生命は同0.3%増の97兆7589億円、大樹生命は同0.9%減の10兆9681億円だった。また、国内計の団体年金保険(受託資産等)は、同4.7%増の19兆4959億円。このうち日本生命は同0.4%減の14兆347億円、大樹生命は同0.3%増の6636億円だった。
23年度通期の業績見通しは、グループ全体で「減収・増益」とする年初の予想から、「増収・増益」に変更した。保険料等収入は一時払商品の販売増を主因にMLCを除くベースで約7兆円を見込む。各社別には日本生命が「増加」、大樹生命が「減少」、ニッセイ・ウェルス生命が「増加」、はなさく生命が「増加」など。基礎利益は、新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因にMLCを除くベースで約6000億円を見込む。各社別には日本生命が「増加」、大樹生命が「減少」、ニッセイ・ウェルス生命が「増加」、はなさく生命が「減少」など。
グループ各社単体の業績では、日本生命の保険料等収入は営業職員チャネルの円貨建終身保険の販売増を主因に前年同期比17.5%増の2兆6043億円。新契約年換算保険料は同15.8%増の1226億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%増の3兆7460億円。基礎利益はヘッジコスト増加等により利差益が減少となった一方、新型コロナウイルス感染症に係る給付金支払の減少等による危険差益の増加を主因に前年同期比27.0%増の3396億円。
大樹生命の保険料等収入は外貨建平準払商品および団体年金の保有契約の減少等により同2.0%減の4051億円。新契約年換算保険料は同13.7%増の183億円。保有契約年換算保険料は前年度末比1.5%増の5140億円。基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払減により危険差益が増加した一方、ヘッジコスト増加による利差損の拡大等により前年同期比17.5%減の84億円。
ニッセイ・ウェルス生命の保険料等収入は外貨建・円建一時払商品の販売増および再保険収入増加を主因に同350.1%増の9564億円。新契約年換算保険料は同111.0%増の1063億円。保有契約年換算保険料は前年度末比26.0%増の4052億円。基礎利益は標準責任準備金の積立負担減少による危険差益の増加により増益の120億円(前年同期実績は▲12億円)。
はなさく生命の保険料等収入は医療保険等の販売増を主因に前年同期比45.6%増の143億円。新契約年換算保険料は同23.9%増の57億円。保有契約年換算保険料は前年度末比18.5%増の289億円。基礎利益は事業拡大による事業費等の支出増により費差損が拡大となった一方、新型コロナウイルス感染症関連の支払減による危険差益の増加を主因に前年同期比0.6%増の▲119億円。
MLCの収入保険料は保険料の引き上げおよび販売量増加を主因に同3.3%増の9億1300万豪ドル。基礎利益は団体保険領域における収支改善を主因に増益の8200万豪ドル(前年同期実績は▲3600万豪ドル)だった。