2023.09.28 三井住友海上 ブラジル・ポルトGと戦略的包括提携、自動車保険等で共同保険体制に移行

三井住友海上は9月4日、ブラジル最大手の損害保険グループ Porto Seguro S.A.(以下、ポルトグループ)と8月31日に戦略的包括提携契約を締結したと発表した。この契約の下、ブラジル国内における三井住友海上子会社の Mitsui Sumitomo Seguros S/A.(以下、ブラジル現法)とポルトグループの損保子会社 Porto Seguro Companhia de Seguros Gerais(以下、ポルト社)は、共同保険商品の立上げ、ネットワークの相互活用、リスクソリューション等の分野で提携する。

ポルトグループ(本社所在地:ブラジル・サンパウロ州)は、ブラジル最大手の損保グループで、傘下に保険子会社6社の他、クレジットカード会社やシステム開発会社、インシュアテック企業等を保有している。総資産(持株会社の総資産)は506億レアル(約1.3兆円、1レアル=25円換算)、保険事業売上高は189億レアル(約4700億円、ポルトグループの保険事業合計〈ポルトグループ投資家向け開示資料による〉、うち損害保険事業は171億レアル〈ブラジル保険監督庁による〉)で、業界順位は22年グロス保険料ベースで1位とのこと。従業員数は約1万3000人。
特に自動車保険では、クレジットカード利用状況などさまざまなデータ連携等を通じた精緻なリスク分析を強みとして、競争が激しい同国保険市場で安定的な事業運営を実現しているという。
今回の戦略的包括提携契約では、①共同保険体制の強化②ネットワークの相互活用による販売網の拡大③補償前後のリスクソリューション領域でのサービス向上―が柱となる。
①では、ブラジル現法は、ポルト社が強みを持つ自動車保険等のリテール領域について、同社を幹事会社とする共同保険体制に移行することで、両社の強みを生かした事業拡大および業務効率化による収益力の強化を図る。
②では、リテール領域を中心に、ブラジル現法とポルト社それぞれが有する販売ネットワークの相互活用を通じ、一層の事業拡大を図る。
③では、提携を通じ、事故防止・損害軽減サービスやテレマティクス等、補償前後のリスクソリューションに関するノウハウを商品やサービスの向上に活用する。
ブラジル保険監督庁によると、中南米で最大の経済規模を持つブラジルの損害保険マーケットは、約2.9兆円の規模があり、今後さらなる成長が期待されている。
三井住友海上はポルトグループが持つネットワークやノウハウを活用することで、成長著しい同国保険市場において、ブラジル現法の一層の事業拡大と収益力強化を実現するとともに、ブラジル国外も含めた同社グループのサービス向上を図るため、本契約を締結したとしている。
なお、同社ブラジル現法 Mitsui Sumitomo Seguros S.A. は1965年の設立で、総資産は13億レアル(約320億円)、損害保険事業売上高は8億レアル(約200億円)、従業員数は約300人の事業規模。