2023.06.08 ソニーフィナンシャルグループ 22年度末決算、ソニー生命 新契約保険料22%増、ソニー損保 正味収保3%増

ソニーフィナンシャルグループが5月23日に発表した2022年度末決算によると、連結経常収益は損害保険事業と銀行事業で増加したものの、生命保険事業で減少した結果、前年度比2.4%減の2兆1376億円だった。連結経常利益は全事業で増加した結果、同53.2%増の1223億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に加え、前年度に特別損失として計上したソニー生命子会社での一時的な損失の資金回収、およびソニー生命での不動産売却に伴う利益を特別利益として計上したことにより、同184.7%増の1185億円となった。

ソニーフィナンシャルグループの業績のうち、ソニー生命は、経常収益は、一時払保険料の増加などに伴う保険料等収入の増加があったものの、特別勘定における運用益が減少したことなどにより、前年度比5.9%減の1兆9044億円となった。
新契約高は同26.0%増の8兆3835億円、新契約年換算保険料は同21.9%増の1285億円だった。新契約年換算保険料のうち、第三分野は同10.5%減の115億円。保有契約高は同6.0%増の61兆1059億円、保有契約年換算保険料は同5.7%増の1兆1144億円だった。うち、第三分野は同1.0%増の2157億円。
経常利益は、新型コロナウイルス関連の給付金などが増加したものの、前年度に出再保険契約の解約で生じた危険準備金の一括積立328億円を計上した反動や、保有契約高の積み上がりによる利益の増加などにより、同77.7%増の953億円となった。なお、保険料等収入は同7.0%増の1兆4738億円で、資産運用収益は同37.2%減の3681億円、保険金等支払金は同36.1%増の9117億円、資産運用費用は同42.5%減の245億円だった。
当期純利益は同429.0%増の1007億円。基礎利益は同9.5%減の1196億円となった。総資産は前年度末比5.1%増の15兆2317億円となった。ソルベンシー・マージン比率は同145.0ポイント低下して2046.1%だった。
ソニー損保は、経常収益は、主力の自動車保険を中心に正味収入保険料が順調に増加したことにより、前年度比3.0%増の1451億円。正味収入保険料は同3.0%増の1437億円だった。
EI損害率は、自動車保険で自然災害や交通量回復に伴い事故件数が増加したこと、および医療保険でコロナ入院保険金が増加したことなどにより、前年度から3.0ポイント上昇し63.0%となった。正味事業費率は同0.2ポイント低下の26.4%となり、EI損害率と合わせた合算率は、同2.8ポイント上昇し89.4%となった。
経常利益は、損害率上昇の影響が異常危険準備金の取崩しにより緩和されたこと、および事業費率の低下や増収効果などにより、同9.7%増の99億円。当期純利益は同10.7%増の71億円だった。異常危険準備金の繰入額・戻入額の影響を除いた修正経常利益は、前年度から12.8%減少し129億円となった。ソルベンシー・マージン比率は前年度末比23.5ポイント低下し789.8%。