2022.12.07 フコク生命グループ 22年度第2四半期決算、新契約保険料は17%増加 フコクしんらい利率更改型一時払終身が好調

フコク生命グループは11月25日、2022年度第2四半期(上半期)の業績を発表した。それによると、富国生命・フコクしんらい生命合算の新契約高は前年同期比7.4%減少したものの、新契約年換算保険料は同17.3%増加し、コロナ禍以前(19年度上半期)の水準を上回った。2社合算の保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%増加し、上半期では16年度以来の増加を記録した。このうち第三分野については同0.8%増加し、03年度の開示以来プラス伸展を継続している。保険料等収入は2社とも増加し、合算では前年同期比21.6%増加した。

2社合算の新契約高は、新医療保険の発売やコロナ禍における医療保障への選好の高まりにより販売実績が医療保険にシフトしたことを主な要因に、前年同期比7.4%減少し8302億円となった。解約失効高は同7.3%改善し、コロナ禍以前より良好な水準を継続している。
新契約年換算保険料は新医療保険とフコクしんらい生命の利率更改型一時払終身保険の販売が好調であったことから、前年同期比17.3%増の135億円を計上。解約失効年換算保険料は同9.4%改善し、62億円となった。
保有契約高は前年度末比0.3%減少し、26兆7256億円となった。減少幅が年々縮小していることから、同社グループでは引き続き反転増加に向けて取り組んでいく方針だ。
保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%増の5493億円となり、上半期では16年度以来の増加となった。うち第三分野の保有契約年換算保険料は同0.8%増加した。
保険料等収入は、富国生命の団体年金保険とフコクしんらい生命の利率更改型一時払終身保険の増加を主な要因に前年同期比21.6%増加し3975億円となった。
フコクしんらい生命の貯蓄性一時払商品の販売実績は、利率更改型一時払終身保険が好調に推移した結果、前年同期比38.5%増の786億円となった。
富国生命単体の資産運用については、世界的なインフレ率の高まりに伴う各国の中央銀行の金融引き締め加速などを背景に、金融資本市場の先行き不透明感が強いことを踏まえ、円貨建公社債を中心に資金を配分し、流動性の確保を第一とした資産運用を実践した。
内外の金利格差拡大に伴う為替ヘッジコストの上昇により、収益性が低下したヘッジ付外債の売却およびオープン外債化を進めた。基礎利益上の運用収支は、円安や増配などによる利息及び配当金等収入の増加や、ヘッジ付外債の削減による為替ヘッジコストの抑制が寄与し、前年同期比を上回る水準を確保した。
2社合算の基礎利益は、基礎利益上の運用収支の増加により利差益は増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大による給付金等の大幅な増加により保険関係損益が▲114億円となったことから、前年同期比69.3%減の108億円となった。ただし、今後については新型コロナウイルス感染症に係る給付金等の影響は極めて軽微と見込まれるため、22年度通期の保険関係損益はプラスとなり、基礎利益は改善する見通しだとしている。
経常利益は基礎利益が減少したことなどにより、前年同期比83.6%減の72億円、中間純剰余は同78.1%減少し75億円となった。
健全性については、内外の金利上昇等によるその他有価証券評価差額金の減少に加え、ヘッジ付き外債の一部をオープン外債化したことによる為替リスクの増加を主な要因に、連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末比131.7ポイント低下したものの、1142.6%と引き続き高い水準を維持。なお、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)は、同5.9ポイント低下の223.0%となった。
2社合算の23年3月期業績予想は、保険料等収入が「増加」、基礎利益が「減少」、保有契約年換算保険料が「微増」、保有契約高が「微減」としている。
なお、新型コロナウイルス感染症に係る給付金等の金額は2社合算で268億円となった。この点について鳥居直之取締役執行役員は「その影響の度合いは他社と比較した場合大きいのではないかと考えている」と述べ、その理由として、①保有契約における若年層の契約割合が高いこと②「みなし入院」による給付金を一律14日分支払ったこと―の2点を挙げた。同氏は「結果として給付金を相応に多くお支払いすることとなったが、コロナ禍において少しでもお客さまに安心していただくための対応とご理解いただきたい」と説明している。