2022.10.12 あいおいニッセイ同和損保 スマホの位置情報で移動手段を判別しポイント付与、プログラムを自治体に提供

あいおいニッセイ同和損保は9月20日、スマートフォンの位置情報等をもとに利用者の移動手段を自動判別・可視化し、移動手段に応じてポイントを付与するプログラムを開発したと発表した。9月から自治体等に提供を開始し、開発したアプリを通じて利用者の移動手段を多様化させることで、カーボンニュートラルの促進や健康増進などさまざまな社会課題の解決を目指す。

このプログラムの提供対象は、あいおいニッセイ同和損保と連携協定を締結している自治体等。有償での提供となる。アプリ利用者に「お得感」や「楽しさ」を提供することによってさまざまな社会課題解決への主体的な取り組みを促すことができ、自治体等のニーズに応じて移動データの分析(政策の効果検証等)や提供プログラムのカスタマイズができる。
提供可能なアプリ機能には、①アプリを通じて取得したスマートフォンの位置情報等に基づき「徒歩」「自転車」「自動車」「電車」等の移動手段を自動で判別②自治体等がアプリ利用者に対して移動手段と移動距離に応じたポイントを付与③アプリ利用者はポイントをクーポン等に交換可能④その他「目標プログラム」などゲーミフィケーションを活用したイベント機能―がある。このうち②~④は、ニーズに応じてカスタマイズが可能。
アプリ開発でさまざまなニーズに対応するため、自治体等への提供方法を複数準備。「アプリを素早く、安価に開発したい」というニーズの場合には、ホワイトラベルでのアプリ提供によって実証実験を含めて早期に実装できるほか、カスタマイズすることも可能としている。また、「自治体等の独自アプリに移動手段の自動判別機能を追加して活用したい」という場合には、SDK(注)として機能提供のみ行う。この場合は、ポイントプログラム等の機能をパッケージで提供することで、自治体等の独自アプリの改良が可能としている。
同社では、本プログラムの導入により、自治体等のテーマに沿った政策や戦略の策定・実行・評価を行うことが可能となり、さまざまな社会課題の解決に寄与できるとしており、課題例と解決イメージとして、▽CO2排出量削減・渋滞緩和・公共交通機関の最適化(移動ごとのCO2排出量を可視化することでカーボンニュートラルを意識付け、個人のCO2排出量を削減)▽ヘルスケア・健康増進(外出促進や移動する場合の「徒歩」や「自転車」での移動を促し、健康増進に寄与)▽地域経済活性化(ポイントの交換先となるリワードを地域の商店等から提供することで、地域商店のDX化推進と地域経済活性化の同時実現)▽都市政策の立案(自転車の交通量を統計的に把握し、最適な駐輪場設置等、行政の意思決定をサポート)―を例示している。
現在、人口減少や高齢社会により、デジタル化やAI、IoTなどの技術を活用した人々の「移動」に関わる都市設計を見直す動きが急速に進展している。また、スマートシティにおけるMaaS等の取り組みでは、関連サービスから得られるビッグデータを都市計画等に利活用する動きも加速している。
そこであいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険の開発から得られたデータ活用ノウハウを生かし、移動データから移動手段を自動判別・可視化し、移動手段に応じてポイントを付与するプログラムを開発した。
同社では今後、連携協定を結ぶ400超の自治体へ提案・提供するとともに、企業・大学など産学官一体の取り組みとして提供範囲を拡大し、より一層の効果創出を目指す。また、本取り組みで収集される移動データと同社が保有する走行データを組み合わせることにより、社会・地域課題解決に向けた保険商品やリスクソリューションの開発にもチャレンジし、CSV×DXを通じた価値の連鎖を実現するとしている。
(注)Software Development Kit の略で、特定の機能をそれ以外のシステムに組み込むために必要な要素をパッケージ化したもの。SDKを利用することで、スクラッチ開発することなく開発コスト削減が可能となる。