2022.09.13 第一生命HD ニュージーランド第2位の生保グループ パートナーズライフ買収で合意 顧客・IFAの視点に立つ事業運営に強み

第一生命ホールディングスは8月12日、傘下の中間持株会社である第一生命インターナショナルホールディングス合同会社(以下、中間持株会社)を通じ、ニュージーランドの生命保険グループの持株会社であるPartners Group Holdings Limited(以下、パートナーズライフ)を買収することについて、パートナーズライフの株主と合意し、株式売買契約の締結を決定した。買収対価が9億8000万NZドル(約830億円、1NZドル=84.71円換算)、アドバイザリー費用等(概算額)が3000万NZドル(約25億円)で、合計の取得価格(概算)は、10億1000万NZドル(約856億円)となる。

今回の買収は、中間持株会社を通じて行い、第一生命HDから中間持株会社に対して増資を行い、中間持株会社を通じてパートナーズライフの全株式を取得する。日本・ニュージーランド監督当局による認可等を条件に、パートナーズライフは今回の買収により第一生命HDの完全子会社かつ連結子会社および特定子会社となる予定。
パートナーズライフ(本社:ニュージーランド、オークランド)は2010年に設立され、シンプルな保障性商品の提供と同社独自のデジタルプラットフォームを活用したIFA(Independent Financial Advisor、特定の保険会社からは独立した立場で保険等の提案・販売を行う代理人のこと)支援に特徴を持つ新興生命保険グループだ。創業5年で単年度黒字化を達成し、創業10年目にはニュージーランド生保市場業界第2位(注)となるなど、急成長を遂げている。
第一生命HDにとって今回の買収は、保険リスクのさらなる取り込みによる「リスクプロファイル変革」、保障事業の「深化」、そしてデジタル等の組織能力獲得につながり得る「探索」の取り組みの一環として、現中計の方針に沿った取り組みだとしている。
同社では、パートナーズライフならびに傘下の生命保険会社であるPartners Life Limited(以下、PLL)の強みとして、①保障性商品中心の提供による収益性の確保や業界初の新商品を数多く開発・販売してきた商品開発力②IFAネットワークから信頼の厚い高水準なIFA支援の展開、ならびに業界初となる顧客満足度と連動したIFAのコミッション制度の導入等、真に顧客・チャネルパートナーの視点に立った事業運営③商品・システムの徹底したレガシーレス運営と保険販売デジタルプラットフォームの独自開発・運営の両立④これらの戦略立案・実行を支える経験豊富かつ多様な経営陣等―を挙げている。経営陣は、二つの生保会社創業経験があるCEOのNaomi Ballantyne氏や会長のJim Minto氏(第一生命HD子会社である豪TAL社の元CEO)を筆頭に、Fintech創業者等も含め多様なバックグラウンドの陣容となっており、同社の革新的な成長をけん引しているという。
また、PLLは20年末に、Bank of New Zealand(以下、BNZ銀行)傘下のBNZ Life(以下、BNZライフ)買収を発表している。これは、BNZ銀行との専属紹介契約(期間10年)を通じて同行顧客基盤の獲得も企図したもので、IFAチャネルを同社事業の軸に据えつつも、チャネルの多様化、事業規模の拡大・安定化も進めているということになる。
第一生命HDでは、今回の買収の戦略的意義および効果として、①先進国市場の安定成長享受と地理的分散等を通じた海外事業ポートフォリオ強化②急成長を実現してきた特徴あるビジネスモデルによる持続的な利益成長と同社ノウハウの利活用③第一生命HDグループ傘下でのさらなる成長の実現や将来的なシナジー効果の追求―を挙げている。
ニュージーランドは先進国市場でありながら生命保険収入保険料の対GDP比率が1%未満と相対的に低く(日本は約6%)、かつ収益性の高い保障性商品および個人保険向け保険商品が大宗を占める市場であること、また、積極的な移民政策と日本を上回る一人当たりGDPをベースに、小規模ながらも安定成長が期待できること等から、事業の地理的分散を図りながら海外事業利益の補完・安定化への貢献を期待できる市場としている。
また、パートナーズライフの急成長の原動力の一つとなっている徹底したレガシーレス運営やデジタル面での組織能力、キャピタルライト戦略、真に顧客・チャネルパートナーに寄り添った事業運営といった要素は、経営の視点を含め非常に参考になるものとしており、そのノウハウの第一生命HDグループ内での展開・活用等について具体的に調査・検討を進めるとしている。
安定成長かつ高収益を見込める事業特性を踏まえ、2027年3月期をめどに、グループ修正利益ベースで6700万NZドル、グループキャッシュベースについては当面、利益の50%程度の貢献を見込んでいるとのこと。
BNZライフ買収完了後の既契約者へのアクセスやグループ内での効率的な資本・財務的諸施策の検討、さらには保険市場・文化に共通点を有する豪州の子会社TAL社とのノウハウ共有や協業についても、今後具体的に研究・検討を進める。
(注)新契約保険料および保有年換算保険料ベース。保有年換算保険料は買収完了予定のBNZライフの業績を含む。