2018.06.05 損保ジャパン日本興亜 引受審査にAI活用、「企業の信用力」分析の自動・高度化

損保ジャパン日本興亜は6月から、取引先に対する売掛債権を補償する取引信用保険の保険引受審査で、AIを導入する。同社では、専門的な知識が必要とされる企業分野商品で保険引受審査の自動化・高度化に関する取り組みを進めるとしており、今回の導入はその第一弾。より多くの顧客の債権保全や与信管理に資するため、保険引受審査の業務で企業信用力の分析にAIを活用することにより、取引信用保険の普及に努めるとしている。

 取引信用保険は、取引先の倒産などにより、契約者(被保険者)が取引先に対して有する売掛債権などの回収ができなかった場合に、契約者(被保険者)が被る損害を補償する保険。
 今回発表した取り組みでは、AIが、契約者(被保険者)の取引先企業の財務情報やマクロ経済情報などを含む周辺情報を考慮し、取引先企業の信用力を分析。損保ジャパン日本興亜は、AIが分析した取引先企業の信用力を参考に、保険金額・保険料率などの保険引受条件を決定するという流れになっている。
 これまで、取引信用保険では、保険契約の引受審査に、企業信用力の分析など専門的な知識が必要とされることから、顧客に迅速な保険提案ができないなどの課題があった。
 取り組みの背景には、国内企業の売掛債権規模は200兆円(財務省「法人企業統計調査2016年度」)を超えるものの、保険や保証などで保全されている債権はそのごく一部にとどまるという現状がある。
 SOMPOホールディングスグループでは、「Digital Disruption」の時代に対して、自らが積極的にデジタルトランスフォーメーションを仕掛け、デジタル対応力をコアコンピタンスとした「真のサービス産業」のグループとなることを目指している。グループの中核事業を担う損保ジャパン日本興亜では、企業分野商品でAIを活用し、保険引受審査の自動化・高度化を進め、保険引受判断の迅速化などを進めていく方針だ。