2017.11.29 明治安田生命 17年度第2四半期決算、グループベースで増収増益

明治安田生命が11月24日に発表した2017年度第2四半期決算によると、2016年3月に子会社化したスタンコープ社の業績貢献等により、グループベースでの増収増益を達成した。明治安田生命単体の基礎利益は、効果的な資産配分に加え、対前年で為替が円安に推移したこと等による利息及び配当金等収入の増加が利差益拡大に貢献し、大幅増益。これにより、グループ・単体ともに上半期ベースで明治安田生命発足以来の最高益となった。

 グループ保険料は、1兆4828億円と前年同期比1%増加した。予定利率引き下げ等による円建て一時払商品の販売が減少したものの、8月に発売した外貨建て商品の販売や、2016年3月に子会社化したスタンコープ社の業績が貢献した。グループ保険料の中で海外保険事業等は、同64.1%増の1501億円となった。このうち、スタンコープ社は同73.1%増の1377億円と大幅な伸びを示した。グループ保険料に占める海外保険事業等の割合は、10.1%(前年同期差+3.9ポイント)と順調に伸展している。
 グループ基礎利益は同24.7%増の2732億円となり、上半期ベースで明治安田生命発足以来の過去最高益を達成した。明治安田生命単体の増益およびスタンコープ社の利益貢献が寄与した。グループ基礎利益のうち、海外保険事業等は同44.4%増の213億円で、スタンコープ社は同76.7%増の138億円だった。グループ基礎利益に占める海外保険事業等の割合は、7.8%(前年同期差+1.1ポイント)となった。
 連結の経常収益は同4.6%増の2兆281億円、経常費用は同1.4%減の1兆8433億円、経常利益は同166.4%増の1847億円、親会社に帰属する中間純剰余は同5.2%減の1017億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は、前年度末比14ポイント上昇し、1012.9%と引き続き高い健全性を維持している。
 明治安田生命単体の業績は、保険料等収入が前年同期比3.2%減の1兆3326億円となった。標準利率の引き下げ等に伴い、昨年7月に一時払貯蓄性商品、今年4月に平準払貯蓄性商品において予定利率引き下げや一部商品の販売休止等を実施したことにより、減収となったが、計画通り進捗(しんちょく)した。営業職員チャネルの平準払商品は前年同期比1.2%増加するなど、主力の「ベストスタイル」等を中心に堅調に推移している。今年8月に新たに販売した外貨建て保険が好調に推移し、足下の保険料等収入は反転基調にあるという。
 新契約年換算保険料は同27%減の602億円となった。保険料等収入と同様に、予定利率引き下げや一部商品の販売休止の影響から、銀行窓販チャネルを中心に大幅に減少したが、計画通りに進捗した。保有契約年換算保険料は前年度末比0.1%減の2兆2481億円で、このうち営業職員チャネルの保有契約年換算保険料は、契約クオリティーの改善等により、同0.3%増の1兆6143億円となった。銀行窓販チャネルは同1.1%減の5888億円だった。
 中期経営計画の経営目標の一つとする「お客さま数の拡大(営業職員チャネル等)」は、昨年10月に発売した「かんたん保険シリーズライト! By明治安田生命」の好調等により、上半期末 690万人(前年度末差+9万人)と順調に拡大している。
 団体保険の保有契約高は同0.5%増の113兆4945億円で引き続き業界トップシェアを堅持した。団体年金保険の保有契約高は同1.3%増の7兆5373億円となった。
 基礎利益は2571億円と前年同期差で472億円増加した。上半期ベースで明治安田生命発足以来の過去最高益を達成。効果的な資産配分に加え、為替が前年同期に比べ、円安に推移したこと等による利息及び配当金等収入の増加が利差益拡大に貢献した。
 資産運用収支(全社)は3643億円と前年同期差1443億円の増加となった。利息及び配当金等収入は3758億円と同320億円増加した。前年同期に比べ為替が円安基調で推移したこと等から外国公社債の利息収入が増加した他、株式相場が堅調に推移する中、株式の増配や投資信託分配金の増加がプラスに寄与した。
 ソルベンシー・マージン比率は953.3%と前年度末差7.8ポイント上昇。価格変動準備金等の積み増しにより、オンバランス自己資本の充実を図り、引き続き高い財務健全性を維持している。オンバランス自己資本は2兆4908億円と同267億円の増加となった。今年8月の基金1000億円の償還時に基金償却準備金を基金償却積立金に振り替えるとともに、新たに基金500億円を募集。加えて、価格変動準備金等の積み増しを実施した。
 一般勘定資産全体の含み損益は6兆3059億円と同2650億円の増加となった。内外株価上昇や海外金利低下、円安等に伴い、株式および外国証券の含み益が増加した。
 契約クオリティーを示す指標は引き続き、良好に推移。対面により契約内容や請求有無を確認する「定期点検」等を通じた積極的なアフターフォローを推進した結果、解約・失効・減額率は1.78%と前年同期差0.07ポイント改善した。総合継続率は13月目が同0.1ポイント低下の95.5%、25月目が0.3ポイント上昇の89.8%で共に高水準を維持している。
 経常収益は前年同期比0.5%増の1兆8295億円だった。経常費用は同5.7%減の1兆6475億円で、このうち保険金等支払金は同1.7%増の1兆1047億円、責任準備金等繰入額は同12.7%減の2117億円、資産運用費用は同51.8%減の781億円、事業費は同1.3%増の1812億円となった。経常利益は同149.4%増の1820億円、中間純剰余は同9.2%減の1027億円。
 2017年度業績は、グループ・単体共に増収増益の見通し。明治安田生命単体の利息及び配当金等収入が計画を上回って推移していること等から、基礎利益は、グループ・単体共に前回見通し(2016年度決算報告時)から200億円上方修正した。