2017.11.02 SOMPOHD アフリカ損保と包括提携、南ア、モロッコ等27カ国で引受可能に

 SOMPOホールディングスは、損保ジャパン日本興亜とSOMPOインターナショナルホールディングス(SIH)が10月19日、アフリカの大手損害保険会社3社と損保事業での包括業務提携契約を締結したと発表した。これにより、同地域で保険引受が可能な国は2カ国から27カ国に拡大。アフリカに進出する日系企業のサポート体制の一層の強化を図るとともに、今後、将来的に成長の見込める農業保険等の分野において、SIHグループの米国での引受実績・ノウハウを生かし、市場参入についても検討していく。

 南アフリカを本拠とする金融・保険グループSanlam Limited(Sanlamグループ)とモロッコを本拠とする金融グループSaham Group(Sahamグループ)を戦略的パートナーとし、Sanlamグループ傘下の保険会社SantamLimited(Santam)とSanlam Emerging Markets(Pty)Limited(SEM)、Sahamグループ傘下のSaham Finances(Saham)の3社と提携した。
 損保ジャパン日本興亜は14年4月に、日系損保会社で初めて南アフリカに駐在員事務所を設立して以来、アフリカ諸国で、日系企業のサポートと保険市場の調査を実施。今回の業務提携を通じて損保ジャパン日本興亜は、日本の損保グループとしては最多となるアフリカ地域27カ国で、顧客に安定した保険サービスを提供できる体制が整う。Sanlam、Saham両グループの知見を活用して、同地域全体の保険市場の調査を進めていく方針だ。
 Sanlamグループは、100年の歴史を持つアフリカ最大の金融・保険グループで、アフリカ内外17カ国で生損保事業を展開している。Santamは農業保険に強みがあり、アフリカ最大の保険市場である南アフリカで収入保険料首位の損害保険会社(注1)。一方、SEMは急激な経済発展が見られるケニアやナイジェリアなど域内13カ国でコーポレートとリテール向けに生損保事業を行っている。
 また、Sahamグループは、ムーレイ・ハファド・エルアラミ現モロッコ産業・通商・投資・デジタル経済大臣によって創設された、南アを除くアフリカ大陸で最大の金融グループ(注2)で、その中核保険会社であるSahamは、本拠とするモロッコをはじめアフリカのフランス語圏を中心に26カ国で生損保事業の他、ロードアシスタンス事業などを展開している。
 Sanlam Limitedは、売上高543億8200万ランド(約4600億円)、従業員数は約1万6000人。また、Saham Groupは、売上高が11億ドル(約1270億円)で、約1万4400人の従業員を擁する。
 アフリカ地域は、2050年に人口が現在の倍近くの20億人を超える見込みで、中長期的・潜在的に成長力の高い市場とみられている。
 すでに約450社の日本企業が同地域に進出。さらなる進出が見込まれる上、日本政府が各国にインフラ投資資金援助などを行っており、今後インフラプロジェクトの増加など、保険需要の拡大が予想される。
 SOMPOHDでは、今回の業務提携を機にアフリカに進出する日系企業へのサポート体制を拡充することで日系企業の進出を支援すると同時に、新市場の開拓を目指すとしている。
 (注1)The South African Insurance Industry Survey 2016
 (注2)Middle East Insurance Review