2017.06.05 セゾン自動車火災 「おとなの自動車保険」デジタル証券に、電子化で顧客利便性向上

 セゾン自動車火災は7月から「おとなの自動車保険」の保険証券の電子化を導入する。同社はデジタルを駆使した顧客利便性の向上を実現し、高品質な商品・サービスを提供することを中期経営計画の目標の一つに掲げている。今回の「デジタル保険証券」はその施策の一環として実施されるもの。保険証券を作成・管理している事務企画部の他、商品業務部、システムサービス部、マーケティング部、お客さまサービス部の各部から部門横断的に集められたプロジェクトメンバーが、顧客目線での検討を8カ月間重ねて開発した。
 同社には以前から「何かあったときに保険証券をすぐに確認したい」という顧客の声が寄せられていた。そうした意見がヒントとなり、スマートフォンから「いつでも、どこでも、スムーズに保険証券を確認できる」をコンセプトとして、デザインやレイアウトを一新し、今回の「デジタル保険証券」が実現した。
 これまでの紙の保険証券では、郵送してから顧客の手元に届くまで、約1週間を要したが、デジタル保険証券では、契約締結から数分で契約内容を確認することができる。いち早く顧客に安心を届けることができるのがデジタル保険証券の最大のメリットだ。
 事務企画部の浦志佳奈子氏は「PDF形式での提供になるため、保険証券を家族で共有したり、勤務先への提出が簡単になったりと、さまざまな場面で活用できると思う。また、紛失リスクがなくなることも、メリットの一つだ。現在は月平均で約300件の証券再発行を希望されるお客さまがいるが、こうした手続きも不要となる」としている。
 商品業務部の茂手木未来氏によると、「デジタル保険証券はPDFファイルのため、お客さまがご自身のPCやスマートフォンに保存した上で閲覧することや、メールにファイルを添付して送信する場面も想定した。ファイルサイズを圧縮しても見やすさを損なわず、同時に補償内容を分かりやすく記載するという点には、特にこだわった」とのこと。
 また、今回は部門横断型のプロジェクトのため、「全契約者のデジタル保険証券を保持するに当たり、PDFファイルだとサーバーでデータを保存するのが重過ぎるため、HTMLでよいのではないか」「マイページ上でダウンロードボタンをどこに配置するのが、お客さまにとって使いやすいのか」といった、さまざまな意見が提出され、それらを集約しながら完成させたという。
 デジタル保険証券リリースに当たり、顧客から契約内容の変更の申し出があった場合に、その内容を反映させる仕組みになっていないなどの課題も残る。補償内容の説明をFAQにリンクさせるなど、デジタルならではの工夫も構想中だ。
 茂手木氏は「今後はそうした課題を解消し、機能をブラッシュアップしていきたい。社内手続きの観点では、保険証券は郵送が基本的な考え方になっているが、『おとなの自動車保険』契約のほとんどがウェブ加入であり、今回の保険証券のデジタル化を機に、社内手続き関係でもウェブを活用していければ」としている。