2017.05.25 SOMPOHD 17年3月期決算、国内損保増益で純利益拡大
SOMPOホールディングスが5月19日に発表した2017年3月期決算によると、連結経常収益は前年度比5%増の3兆4195億円で、このうち正味収入保険料は同0.1%減の2兆5503億円だった。生命保険料は同8.8%増の3238億円。連結経常利益は、保険引受利益、資産運用粗利益ともに堅調に推移したことで同248億円増加して、2417億円となった。国内損保事業の利益拡大を背景に、連結純利益は、同68億円増益の1664億円となった。
国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜では、コア保険引受利益(異常危険準備金に係る影響を除いたもの)が525億円改善したことを主な要因として、保険引受利益は同341億円増益の1124億円に達した。正味収入保険料は同527億円減の2兆1656億円。種目別では、自動車保険が、商品・料率改定効果とその他の単価アップ施策により増収し、同0.7%増の1兆777億円。「その他」も、中小企業向けパッケージ商品などが好調で、同2.2%増の2815億円だった。一方、火災保険は、15年10月商品改定(10年超の長期契約廃止、料率改定)による駆け込み需要の反動で、同13.7%減の2853億円。海上保険も、期中の円高や貿易量減少などを主因として、439億円と同14.1%減少した。傷害保険は同1.3%減の1817億円、自賠責は同3.7%減の2952億円だった。
正味支払保険金は同3.5%減の1兆2428億円。自賠責と家計地震を除いた正味損害率は同1.3ポイント低下して59.8%、正味事業費率は同0.3%上昇の33.7%、またコンバインド・レシオは損害率改善を背景に同1.0ポイント改善して93.5%だった。資産運用損益は良好な市場環境もあり増益、資産運用粗利益は同22%増の1323億円。ソルベンシー・マージン比率は677.0%だった。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、47億円の先行投資の影響があったものの当期純利益は83億円を確保。修正利益は、期初計画の230億円を上回る291億円だった。新契約高(個人保険)は同8.8%増の2兆4305億円、新契約年換算保険料は502億円で同24.7%と急増した。保有契約高(個人保険と個人年金保険の合計)は同6833億円増の22兆3255億円。保有契約年換算保険料は同248億円増(このうち保障性商品は78億円)の3576億円だった。
保険料等収入は同230億円増の4195億円で、経常利益は同56億円減の168億円、基礎利益は165億円で同53億円の減益となった。ソルベンシー・マージン比率は1573.0%。
介護・ヘルスケア事業では、内部管理態勢強化の進展により入居者数が増加トレンドへ反転し、SOMPOケアメッセージとSOMPOケアネクストを合算した入居率は、83.7%と同2.8ポイントの改善。介護事業の売上高は同34億円減の1108億円、当期純損益は同22億円減で7億円の純損失を計上した。
海外保険事業はアジア・中東地域が成長をけん引。収入保険料は同574億円増収の3517億円と順調に拡大し、当期純利益は同6億円増益の199億円となった。
17年度連結業績予想は経常利益が172億円増の2590億円、純利益は165億円増の1830億円、正味収入保険料は3576億円増の2兆9080億円を見込む。
国内損保事業(損保ジャパン日本興亜)では、正味収入保険料が自動車保険や新種保険中心に拡大して全種目で398億円の増収を予想しており、2兆2054億円の見込み。コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は0.4%改善し、93.1%の見通しで、政策株式の削減額は時価ベースで1000億円前後を計画している。
国内生保事業は、生保ビジネスの順調な拡大を計画するが、標準利率改定に伴う責任準備金負担の影響を主因として、連結純利益は23億円減益の60億円を見込む。生命保険料は151億円増の3390億円の予想。
介護・ヘルスケア事業は、入居率が改善の見通しで、当期純利益は49億円増益の20億円と黒字化を見込む。
海外保険事業は、Sompo International(エンデュランス)の利益貢献開始を主な要因に、修正利益は384億円の増益を見込んでおり、584億円としている。