2017.05.19 かんぽ生命 17年3月期決算、当期純利益が増益達成
かんぽ生命は5月15日、2017年3月期決算を発表した。当期純利益は前期比4.4%増の885億円と増益を達成し、通期業績予想比103%となった。個人保険の新契約年換算保険料は、前期末比4.7%増の5079億円、第三分野の新契約年換算保険料は、同12.4%増の557億円だった。個人保険の保有契約年換算保険料は、4兆9796億円と前期末並みの水準を維持した。第三分野では7361億円と12月末から15億円増加した。足元の低金利環境を受け、リスク性資産(外国証券・国内株式)への投資を7兆9637億円(総資産の9.9%)まで拡大した。ソルベンシー・マージン比率は、前期末比279.7ポイント低下し1290.6%となり、エンベディッド・バリュー(EV)は、前期末から2046億円増加し3兆3556億円となった。
個人保険の新契約件数は前期末比1.8%増の244万件で、このうち、養老保険は117万件(占率:48%)、終身保険は92万件(占率:37.8%)、学資保険は34万件(占率:14.2%)だった。
個人保険の保有契約件数は前期末比2.4%減の3156万件だった。保有契約の内訳は、養老保険が1349万件(占率:42.8%)、終身保険が1279万件(占率:40.6%)、学資保険が512万件(占率:16.2%)、その他が14万件(占率:0.5%)だった。
経常収益は、保険料等収入が前期比6.9%減の5兆418億円、資産運用収益が同1%増の1兆3679億円、その他経常収益が同20.7%減の2兆2496億円となり、これらを合計した結果、同9.9%減の8兆6594億円となった。
経常費用は、保険金等支払金が同11.7%減の7兆5503億円、資産運用費用が同1545.3%増の1604億円、事業費が同4.1%増の5604億円、その他経常費用が同13.8%増の1085億円で、これらを合計した結果、同8.9%減の8兆3796億円となった。
この結果、経常利益は同32%減の2797億円となり、経常利益から特別損失、契約者配当準備金繰入額および法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は同4.4%増の885億円となった。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比1.5%減の80兆3367億円だった。主な資産構成は、国債を中心とする有価証券が同0.2%減の63兆4852億円、貸付金が同10.2%減の8兆609億円、金銭の信託が同29.3%増の2兆1270億円となっている。
負債の部合計は、同1.5%減の78兆4835億円となった。負債の大部分を占める保険契約準備金は同3.2%減の72兆5251億円だった。
純資産の部合計は、同1.6%減の1兆8532億円となった。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は、金利上昇等に伴い、含み益が減少したことにより、同20.6%減の3219億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ8320億円支出減の2兆909億円の支出だった。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ9678億円収入減の1兆6290億円の収入となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ95億円支出増の346億円の支出となった。この結果、現金および現金同等物の当連結会計年度末残高は、1兆3660億円となり、期首から4965億円減少した。
次期(2018年3月期)の連結業績見通しについては、経常収益7兆6900億円、経常利益2500億円、親会社株主に帰属する当期純利益860億円を見込む。
17年3月期の期末配当については、1株当たり60円と決定。18年3月期の期末配当は、1株につき4円増配し、1株当たり64円とする予定。