2017.02.16 富国生命、新型医療保険で現場に活気、本来の機能追求をコンセプトに
富国生命が2016年4月に発売した「医療大臣プレミアエイト」が上半期で8万8194件を売り上げるなど、勢いを見せている。旧商品との前年同期比では約117%となり、現在も堅調に実績を伸ばしている。8大生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患・高血圧性疾患・糖尿病・腎疾患・肝疾患・膵疾患)による入院への支払日数無制限の保障と、普通分娩(ぶんべん)を含む出産を保障対象とし、出産した子どもの数により給付金が増加するという二つの業界初の仕組みを取り入れた同商品を、同社では「新型医療保険」と位置付ける。営業職員からも「顧客に自信を持って勧められる商品」との声が寄せられるなど、営業現場に活気をもたらしている。
医療大臣プレミアエイトは、旧商品である「医療大臣プレミア」の保障内容をバージョンアップさせると同時に、生活習慣病や出産に対する手厚い保障を付加したもの。
同社の掲げる「お客さま基点」の観点から、短期の入院でも一定の自己負担が生じる点に着目し、日帰り入院でも入院日額10日分の入院見舞給付金を入院給付金に上乗せして支払う入院見舞給付特則を新設。その一方で、長期化することの多い8大生活習慣病による入院を主契約・特約ともに支払日数無制限で保障することとした。
さらに、生活習慣病特約のオプションとして新設した「退院後療養給付特則」により、8大生活習慣病の退院後の通院治療にも対応する仕組みを作り上げた。
この他、がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の条件に該当した場合、3種類合わせて通算10回まで支払う一時金など、顧客視点で価値ある商品設計にこだわりを見せる。
また、新設した女性総合給付特則は、女性職員6人によるプロジェクトチームから生まれたアイデア。普通分娩を含めた出産を対象とするだけでなく、出産した子どもの数が多いほど給付金総額が増える仕組みは業界初となる。
出産は1996年4月の改正保険業法施行時から保険の対象として規定されているが、偶然性の面で保険設計上の課題があり、これまで普通分娩を含む出産を保障対象にする商品は限られていた。同社営業企画部で商品開発を担当する木村恵則副部長は「出産を保障するための商品設計や保険料計算には非常に気を使った」と振り返る。
同社は83年に医療保険の取り扱いを開始して以来、医療保険分野で先駆的な取り組みを進めてきた。同商品開発に当たっては、医療に関わる経済的なリスクの軽減という医療保険本来の機能の追求をコンセプトに設定したという木村氏は今後について、「当社では医療を含めたさまざまなリスクを過不足なくカバーする商品の開発・提供に取り組んでいる。医療をめぐる変化にも対応しながら、新たなリスクにも対応していきたい」としている。