2025.04.16 三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保 食品関連事業者の食品ロス削減を後押し 運送保険で「フードロス削減特約」発売

 三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は3月24日、4月以降の保険始期契約から、食品関連事業者の食品ロス削減を後押しするため、運送保険(国内貨物総合保険:フルライン)加入者向けに「フードロス削減特約」を販売すると発表した。引受保険会社を三井住友海上、販売受託会社をあいおいニッセイ同和損保とする再委託制度等に基づき、三井住友海上の商品を両社が販売するスキーム。
 「フードロス削減特約」は、原材料の仕入れから商品の販売まで食品等の貨物の損害を包括的に補償する運送保険(国内貨物総合保険:フルライン)にセット可能な特約として販売するもので、品質に影響はないものの、外装異常、納期遅延を理由として処分される食品の損害や再販売・リサイクル・廃棄に関する費用に対して保険金を支払う。
 保険金を支払う事象は、①梱包や外装の状態から食品が損害を被ったと推定されることを理由として、受取拒否された場合(例:ラベルに傷がつき、食品自体は品質上問題ないが納入先から受取を拒否された)②自然災害等により輸送経路の遮断が生じたことで納期遅延が発生し、販売機会を逸失した場合(例:豪雨により土砂崩れが発生し輸送経路が遮断された。その結果、納品先が定めた納期に間に合わず、販売できなかった)―の2点としている。
 対象となる費用と損害は、①外装異常、納期遅延を理由として処分される食品の損害②食品ロスの削減推進に取り組む事業者(二次流通先)への引渡しに係わる費用③飼料、肥料等への原材料としての再利用に係わる費用④廃棄費用―。
 支払限度額は1回の事故につき500万円(事象②は保険期間中通算500万円)。
 両社では、「農林水産省が2024年6月に発表した食品ロス量の22年度推計によると、全体の50%を占める食品関連事業者から発生した事業系食品ロス量は、前年比で約15%減少している。また、30年度までに2000年度比で半減させるという削減目標も前倒しで達成するなど、順調に削減が進んでいる。一方で、自然災害の影響で配達が納期に間に合わず食品廃棄につながる事例など、食品ロスはフードサプライチェーンのいずれの工程でも発生しており、焼却時のCO2排出や焼却灰の埋立地問題が社会課題となるなど、食品関連事業者全体でより一層の食品ロス削減や再生利用等が求められている。そうした中、食品ロス削減を通じて持続可能なフードサプライチェーンの構築を支援するため、同特約を開発した」としている。
 両社では新商品・サービスの開発を通じて社会課題解決に貢献していくとしており、また、「地球環境との共生(Planetary Health)」の実現に向け、気候変動への対応、生物多様性を含む自然資本の持続可能性向上などに取り組んでいくとしている。