2025.03.28 日本生命、ライクほか 保育イノベーションコンソーシアム設立 課題解決に保育事業者が結集し共創 全ての保育所で良質な保育サービス提供へ

 日本生命と子育て支援サービス事業などを展開しているライク㈱(東京都渋谷区、岡本泰彦代表取締役会長兼社長グループCEO)は3月17日、保育業界全体の課題解決に資する取り組みを行うことを目的とした「保育イノベーションコンソーシアム」を設立した。コンソーシアムには㈱ニチイ学館や、認可保育園や認証保育所、学童クラブ等を運営する㈱グローバルキッズ(東京都千代田区、中正雄一代表取締役社長)、学研ホールディングス、ニッセイ情報テクノロジーも参加する。コンソーシアムの活動の輪を広げることで保育事業全体の持続性向上とさらなる発展に貢献し、日本社会を担う子どもたちの未来と安心して子育てができる社会の実現に向けた取り組みにつなげていくとしている。
 「保育イノベーションコンソーシアム」は、保育領域の課題解決に向けた施策に共同・連携して取り組むことを目的にしており、保育事業者などが結集して各社の知見や強みを相互に提供して共創する体制構築を通じて一社だけでは解決が難しい課題の解決策を創出することを目指す。
 発起人の日本生命とライクに加え、日本生命グループのニチイ学館の他、日本生命と良好な関係を構築してきたグローバルキッズや学研、ニッセイ情報テクノロジーの6社で取り組みを開始する。今後は全国の社会福祉法人を含む保育事業者や団体、自治体等にも積極的に参加を呼び掛けていく考えだ。
 また、こども家庭庁とも定期的にコミュニケーションを図ることで、行政への申請手続きや教員処遇や配置基準、補助金等の各観点で改善要望を取りまとめ、こども家庭庁への働き掛けも行う。 取り組むテーマは、単独の保育事業者では解決が困難な課題となる①保育業務の硬直性・非効率性②職場環境悪化や慢性的な人材不足③保育の安心・安全性の高まり―の三つで、具体的には、ITインフラの構築等の現場業務の効率化や、共同調達スキームの構築を通じた保育事業者の経営安定化、潜在保育士の掘り起こしとマッチングなどによる保育者の人材不足解消、職業としての保育士の魅力向上、職場環境改善、こども家庭庁への改善要望などで、こうしたテーマについて、4月から1~2カ月に1回程度、年9回ほど協議を行う予定としている。 
 職場環境が悪いなどの比較的ネガティブな情報を発信されがちな保育業界を変えるためにまず、共通課題となる保育事業者の経営安定化や業務効率化、保育者の待遇、職場環境の改善を図ることで、子どもたちと向き合い本来の保育に専念できる保育現場の環境整備に取り組んでいく。
 また、保育サービスの質や付加価値を高め、保育所の多機能化の実現につなげることで、最終的に小規模保育事業者を含め、全ての保育所で良質な保育サービスが持続的に提供される体制の構築を目指していく。
 同日、日本生命東京本社で行われた6社が参加した記者会見で、日本生命取締役専務執行役員の佐藤和夫氏は、同社について、「生命保険を中心にアセットマネジメントビジネスやヘルスケア、介護、保育等さまざまな安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループ」を長期的に目指す企業像に掲げていると説明した上で、「当グループが保育領域で各地域の顧客や保育事業者、行政のハブとして機能することで地域共生社会の実現に寄与していきたい」と述べた。また、「コンソーシアムでの各社との取り組みを通じて、各地の事業者のさまざまな課題の解決につなげる。取り組みを重ねることで、全国の小規模事業者や社会福祉法人などの参画意欲を高めていく。日本の保育事業がより良くなることに加え、働く保育士が満足する環境をつくることが、日本の子どもたちの育成に有益になるという思いを共有して取り組みを進めたい」と意欲を見せた。
 ニッセイ情報テクノロジー執行役員の加藤雅之氏は、日本生命のシステム開発だけでなく、医療や介護、年金といった領域の社会課題に対峙することに長年取り組んできたとした上で、「保育業界の課題にITの面から貢献していきたい」と述べた。
 ライクの岡本氏は、「連絡帳などを紙媒体に頼っていることが保育現場の声を聞く中で一番の課題になっている。そうしたものをDX化によって改善するなど、クオリティの高い仕事をしていきたい」と述べた。
 ニチイ学館取締役副社長の井出貴子氏は、「これまでの保育運営の経験やノウハウを踏まえ、今後業務のデジタル化に積極的に取り組みながら保育士の働きやすい環境作りに貢献していきたい。未来の子どもたちにとって大きな価値を生み出せるように全力で取り組んでいく」と述べた。
 学研ホールディングス執行役員の山崎知恵氏は、「当社が長年培った保育の品質向上につながる商品やサービスなどを通じて子どもたちの心と体の成長につながる保育環境に必要な価値を提供していく。誰一人残さない子育て支援を目指し取り組む」と述べた。
 グローバルキッズ代表取締役社長の中正氏は、「コンソーシアムの活動の輪が広がり、業界全体が一丸となってこれからの社会を担う子どもたちの明るい未来と安心して子育てができる社会の実現に向けて協力していきたい」と述べた。