2025.03.12 日本生命グループ 24年度第3四半期決算 基礎利益は利配収入増加で43%増 通期見通しを過去最高1兆円に引上げ
日本生命が2月18日に発表した2024年度第3四半期決算によると、グループの連結業績では、連結経常収益は前年同期比3.1%減の8兆4382億円で、連結損益計算書における保険料等収入とその他経常収益の合計を示す保険・サービス収益は、日本生命の金融機関窓販チャネルの減少や大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命の減少により同5.6%減の6兆2526億円だった。うち保険料等収入は同8.6%減の5兆8816億円。グループ基礎利益は日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の利息及び配当金等収入の増加を主因に同43.0%増の6897億円を示した。
グループの保険・サービス収益の通期見通しについては、日本生命の営業職員チャネルにおける一時払終身保険の販売増やニッセイ・ウェルス生命での外貨建および円建一時払商品の販売増等に伴い、上半期時点の見通しから3600億円増加の約8兆2500億円に引き上げた。うち、保険料等収入は同3500億円増加の約7兆7100億円を見込む。グループ基礎利益については、堅調な内外経済を背景とした株式配当金・投信分配金の増加に伴う日本生命の利差益増加を主因として、上半期時点の見通しから1000億円増加の約1兆円を見込む。グループ基礎利益見込みが1兆円となるのは同社グループ初で、過去最高益となる見通し。同社の中期経営計画(24~26)におけるグループ基礎利益の目標は、26年8600億円(対23年比で2割増)、35年約1.4兆円だった。
24年度の配当方針(個別保険)については、足元の好調な決算や金利上昇を受け将来的に運用利回りは堅調に推移する見通しであることから、利差配当を9年ぶりに増配し、個別保険は2年連続増配(対象契約は約900万件)となる予定。新契約に適用される配当基準利回りは1.85%となり0.10%~0.20%の引き上げとなる予定で、配当総額は対前年約300億円増加の約1100億円となる予定。今中期経営計画(24~26)で「お客様配当性向」の目標水準を“安定的に50%程度”から“安定的に60%程度”に引き上げており、24年度決算は60%超を見込む。例えば、20年度に30歳女性が60歳年金開始の年金保険(年金年額60万円)に加入した場合、配当額は増配分の1050円を含めて5244円となるとしている。
グループの資産運用収益は前年同期比4.9%増の2兆1855億円だった。経常費用は同5.3%減の7兆9631億円で、グループの経常利益は同63.0%増の4750億円、四半期純剰余は同43.1%増の2741億円となった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、コアブリッジへの出資等の影響により、前年度末から53.9ポイント低下し971.8%となった。
国内生命保険事業の保険料等収入(国内計)は、一時払商品の販売減による金融機関窓販チャネルの減少を主因に前年同期比9.1%減の5兆6678億円、うち個人保険・個人年金保険は同6.9%減の3兆9406億円。
国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は前年同期比5.9%減の3688億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比1.5%増の4兆8284億円。
日本生命の保険料等収入は、金融機関窓販チャネルの減少を主因に前年同期比7.2%減の3兆5793億円。基礎利益は同34.6%増の6142億円。個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は同6.3%減の1748億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.7%減の3兆7153億円。
大樹生命の保険料等収入は、外貨建一時払商品の販売減を主因に前年同期比15.5%減の6148億円。基礎利益は同91.6%増の126億円となった。新契約年換算保険料は同9.9%減の286億円、保有契約年換算保険料は前年度末比0.3%減の5158億円。
ニッセイ・ウェルス生命の保険料等収入は、出再方式の変更による再保険収入の減少、外貨建一時払商品の販売減を主因に前年同期比12.1%減の1兆4266億円。基礎利益は、同84.1%増の457億円となった。新契約年換算保険料は同5.4%減の1559億円、保有契約年換算保険料は前年度末比19.7%増の5564億円。
はなさく生命の保険料等収入は、医療保険等の販売増と再保険収入の増加を主因に前年同期比74.6%増の470億円。基礎利益は同38.7%増の▲86億円となった。新契約年換算保険料は同6.3%増の94億円、保有契約年換算保険料は前年度末比20.8%増の408億円。
海外保険事業で、豪MLCの収入保険料は、団体保険領域における収入減を主因に前年同期比2.9%減の13億5600万豪ドル。基礎利益は個人保険領域における保険金支払増加を主因に同55.8%減の3200万豪ドルとなっている。
ニチイホールディングスの売上高は、医療関連・介護・保育領域の主要3事業で増収となり前年同期比0.6%増の2282億円。税引前純利益は、同17.0%減の97億円だった。