2025.02.26 MS&ADHD 24年度第3四半期決算 政策株式売却で純利益6260億円に 海外純利益は45%増、国内生保も増益
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2024年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比5.7%増の5兆2297億円。連結正味収入保険料は、国内は同4.3%増の2兆3511億円、海外は同25.0%増の1兆2201億円となった結果、全体では同10.5%増の3兆5712億円となった。経常利益は同113.4%(4382億円)増益の8248億円で、四半期純利益は政策株式売却が進んだ国内損保子会社の増益を主因に同122.3%(3444億円)増の6260億円を示し、通期予想の6300億円に対する進捗率は99.4%となった。24年度の通期業績予想に変更はなく、正味収入保険料4兆6300億円、四半期純利益6300億円を見込む。
グループ修正利益は前年同期比3665億円増益の6339億円で、11月発表の通期予想の6700億円に対する進捗率は94.6%となっている。事業別では、国内損保事業は同2896億円増の4328億円で、11月通期予想に対する進捗率は95.6%。国内生保事業は同24億円増益の443億円で進捗率は86.9%。海外事業は752億円増益の1563億円で進捗率は94.2%となっている。金融サービス事業/デジタル・リスク関連事業は8億円減益の3億円。
国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の第3四半期業績では、正味収入保険料は、料率改定効果等による火災保険や自動車保険の増収により、2社合算で前年同期比4.3%増の2兆3244億円となった。
三井住友海上の正味収入保険料は、同3.5%増の1兆2492億円で、発生保険金は同102億円増の7637億円、正味損害率は同1.2ポイント上昇し67.4%、正味事業費率は同0.3ポイント低下し32.0%となった。コンバインド・レシオは同0.9ポイント上昇し99.4%。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1.3ポイント低下し65.1%。
あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料は同5.2%増の1兆751億円で、発生保険金は同55億円減の6498億円、正味損害率は同0.9ポイント上昇し66.9%、正味事業費率は同0.4ポイント低下し33.6%、コンバインド・レシオは同0.5ポイント上昇し100.5%となった。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同5.3ポイント低下して66.3%。
国内損保主要2社の保険引受利益は、自動車の発生保険金が増加(修理単価の上昇等)した一方、既経過保険料の増加や自然災害ロスの減少により、前年同期比675億円増益の1228億円となった。このうち三井住友海上は同240億円増益の774億円、あいおいニッセイ同和損保は同434億円増益の454億円。なお、2社合計の保険引受利益(異常危険準備金反映前)は同732億円増益の594億円で、このうち三井住友海上は同172億円増益の434億円、あいおいニッセイ同和損保は同560億円増益の159億円だった。
2社合算の資産運用・その他収支は、政策株式売却による有価証券売却益や利配収入の増加等により、前年同期比3346億円増の5375億円だった。このうち三井住友海上は同3294億円増の4658億円、あいおいニッセイ同和損保は同52億円増の717億円。2社合計の経常利益は同4022億円増益の6603億円を計上。このうち三井住友海上は同3535億円増益の5432億円、あいおいニッセイ同和損保は同486億円増益の1171億円。2社合計の四半期純利益は同3213億円増益の5126億円。このうち三井住友海上は同2823億円増益の4254億円で、あいおいニッセイ同和損保は同390億円増益の872億円。
グループ連結の生命保険料は前年同期比47.0%(3372億円)減の3803億円だった。
三井住友海上あいおい生命の保険料等収入は、積立利率変動型終身保険の払込満了増や逓増定期保険の保有減少等により、前年同期比69億円減の3440億円となった。新契約年換算保険料は、介護・認知症保険、引受基準緩和型医療保険の販売が拡大する一方、その他の商品の販売が減少したことなどにより同9.5%減の184億円だった。保有契約年換算保険料は期首比1.1%減の4306億円。経常利益は前年同期比1.0%減の366億円、四半期純利益は同0.3%減益の236億円だった。基礎利益は利息及び配当金等収入の増加等もあり、同13.3%増の343億円を計上した。
三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は、前年同期比490億円増収の1兆1239億円。グロス収入保険料は、前年度の新商品発売による販売増加の反動などにより同6.6%減収し9180億円。経常利益は同41.5%増の321億円。四半期純利益は、米金利上昇により保有債券等の評価損が拡大した一方、ターゲットヒット型商品について上期に目標値到達契約が多数発生し責任準備金繰入負担が減少したことなどにより、同37億円増益の206億円。
海外保険子会社の業績では、正味収入保険料は、新規引受の増加等により大きく増収したロイズ・再保険事業をはじめ、アジア、欧州、米州でも増収、円安影響もあり、前記のとおり前年同期比25.0%増の1兆2201億円となった。四半期純利益は、保険引受・資産運用が好調だったロイズ・再保険事業、米州に加えて、海外生保など各地域で増益したことなどから、同402億円(45.8%)増益の1279億円となった。
AUL( MS Amlin Underwriting Limited )の四半期純利益は前年同期比700万ポンド増の1億300万ポンドで、MS Re( MSReinsurance)の四半期純利益は同7500万ドル増の2億2200万ドルだった。