2024.12.12 日本生命グループ 24年度第2四半期(上半期)決算 基礎利益36%増4866億円に 日本生命等の利配収入増加が寄与

 日本生命が11月25日に発表した2024年度第2四半期(上半期)決算によると、グループの連結業績は減収・増益で、連結損益計算書における保険料等収入とその他経常収益の合計を示す「保険・サービス収益」は、ニチイホールディングスを新たに連結対象としたものの、日本生命の金融機関窓販チャネルの減少や団体年金での減少により前年同期比0.4%減の4兆2216億円と横ばい。一方、基礎利益は日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の利息及び配当金等収入の増加を主因に36%増と大きく増益となった。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は日本生命の代理店・金融機関窓販チャネルの減少を主因に前年同期比で減収、保有契約年換算保険料は日本生命で減少の一方、ニッセイ・ウェルス生命の増加により横ばいだった。
 日本生命グループの24年度上半期の連結経常収益は、前年同期比8.1%減の5兆5662億円だった。連結保険料等収入は同2.8%減の3兆9956億円。
 グループの資産運用収益は前年同期比26.0%減の1兆3446億円だった。経常費用は同11.6%減の5兆2270億円で、このうち保険金等支払金は同12.1%増の3兆4327億円、資産運用費用は同8.3%増の7052億円、事業費は同23.2%増の4853億円だった。これらの結果、経常利益は同132.4%増の3391億円、これに特別損益を加減した中間純剰余は同97.7%増の2007億円となった。
 基礎利益は前年同期比36.0%増の4866億円。日本生命では同27.3%の増益、大樹生命は同6.6%の減益、ニッセイ・ウェルス生命は同162.3%の増益、はなさく生命は同53.4%の増益だった。
 グループの総資産は、前年度末比1.7%減の95兆9674億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は、ニチイホールディングス連結に伴うのれんの増加等により、前年度末から4.6ポイント低下し1021.1%となった。また、実質純資産も有価証券含み益の減少等により、前年度末から2兆2475億円減少して18兆4521億円となった。24年9月末時点の経済価値ベースのソルベンシー比率は、事業投資により低下する一方、新契約獲得や劣後債調達に伴う変動等の影響により、前年度末比3ポイント上昇し227%。新契約価値は、前年同期比で8.4%増加し2071億円。
 国内計の保険料等収入は、一時払商品の販売減による金融機関窓販チャネルの減少を主因に前年同期比3.1%減の3兆8555億円。うち個人保険・個人年金保険は同2.1%減の2兆6652億円。団体保険は同1.7%増の1507億円、団体年金保険は同10.8%減の5047億円だった。
 国内計の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は前年同期比1.8%減の2485億円となった。チャネル別では、営業職員チャネルは同2.2%増の958億円。代理店チャネルは同5.8%減の359億円、金融機関窓販チャネルは同4.2%減の1156億円となった。同保有契約年換算保険料は前年度末比0.2%増の4兆7668億円。
 国内計の団体保険の保有契約(保障額等)は、前年度末比0.7%増の108兆5986億円。このうち日本生命は同0.8%増の97兆6473億円、大樹生命は同0.3%減の10兆9512億円だった。また、国内計の団体年金保険(受託資産等)は、同1.8%増の20兆2821億円。このうち日本生命は同0.4%減の13兆9444億円、大樹生命は同1.9%減の5863億円だった。
 グループ各社単体の業績では、日本生命の保険料等収入は金融機関窓販チャネルの減少や団体年金出の減少を主因に前年同期比6.1%減の2兆4465億円。新契約年換算保険料は同6.4%減の1147億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.8%減の3兆7101億円。基礎利益は利息及び配当金等収入の増加を主因に前年同期比27.3%増の4324億円。
 大樹生命の保険料等収入は再保険収入の増加等により同2.1%増の4135億円。新契約年換算保険料は同1.0%増の185億円。保有契約年換算保険料は前年度末比1.1%減の5115億円。基礎利益は前年同期比6.6%減の78億円。
 ニッセイ・ウェルス生命の保険料等収入は外貨建一時払商品の販売増を主因に同0.9%増の9651億円。新契約年換算保険料は同2.4%増の1089億円。保有契約年換算保険料は前年度末比8.9%増の5065億円。基礎利益は利息及び配当金等収入の増加を主因に前年同期比162.3%増の315億円。
 はなさく生命の保険料等収入は医療保険等の販売増と再保険収入の増加を主因に同111.6%増の303億円。新契約年換算保険料は同10.4%増の63億円。保有契約年換算保険料は前年度末比14.1%増の385億円。基礎利益は前年同期比53.4%増の▲55億円。
 MLCの収入保険料は団体保険領域における収入源を主因に同2.1%減の8億9400万豪ドル。基礎利益は同68.0%減益の2600万豪ドルだった。
 24年度通期の業績見通しは、グループ全体で「減収・増益」を見込む。グループ計の保険料等収入は、日本生命とニッセイ・ウェルス生命での減少を主因に約7兆3600億円を見込む。各社別には日本生命が「減収」、大樹生命が「減収」、ニッセイ・ウェルス生命が「減収」、はなさく生命が「増収」、MLCが「増収」。基礎利益は、利息及び配当金等収入の増加を主因に約9000億円を見込む。各社別には日本生命が「増益」、大樹生命が「増益」、ニッセイ・ウェルス生命が「増益」、はなさく生命が「増益」、MLCが「減益」。ニチイホールディングスは「減益」を見込む。